2016年のニュース

世界のインフルエンザ流行について (更新)

2016年1月25日 WHO(原文[英語]へのリンク

要約

 西アジアのいくつもの国で、インフルエンザの活動が高いレベルで続いていました。さらに、北米アメリカ、ヨーロッパ北部と東部、アジア北部とアジア温帯地域では、インフルエンザの活動が高まってきたことが報告されました。検出されるほとんどのインフルエンザ・ウイルスはA(H1N1)pdm09でした。
北米では、インフルエンザの活動が少しずつ高まってきました。しかし、まだ流行シーズンに予想されるレベルを下回っています。
ヨーロッパ北部と東部では、インフルエンザの活動の高まりが報告されました。ヨーロッパ西部と南部では、まだ活動は低調であると報告されています。東ヨーロッパのいくつもの国からは、インフルエンザA(H1N1)pdm09による重症急性呼吸器感染症の増加が報告されました。
アジア北部/アジア温帯地域では、モンゴルでインフルエンザの活動が続いており、韓国でも高まってきました。
アジア中央部と西部では、インフルエンザの活動が高いレベルで留まっていました。イスラエル、ヨルダン、オマーンでは、インフルエンザの活動の高まりが報告されました。報告は、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザBウイルスでした。パキスタンでも、インフルエンザの活動の上昇が報告されました。インフルエンザA(H1N1)pdm09が主体でした。
アメリカ大陸の熱帯地域、中米、カリブ海では、呼吸器系ウイルスの活動は低いレベルにありました。
アジア熱帯地域では、全体として南アジアと東南アジアの国々で、引き続きインフルエンザの低調な活動が報告されました。
南米温帯地域では、この数週間、呼吸器系ウイルスの活動が低調でした。

2015年12月28日から2016年1月10日までのデータが、FluNet(協定世界時間2016年1月22日 11:40:20現在)に基づき、91の国と地域にある国立インフルエンザセンター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められています。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、この間に61,649本を超える検体が検査されました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となった検体は10,502本で、このうち8,481検体(80.8%)がインフルエンザA型、2,021検体(19.2%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、5,506検体(80.2%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、1,357検体(19.8%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザB型ウイルスのうち、460検体(49.1%)がB-山形系統で、477検体(50.9%)がB-ビクトリア系統でした。

北半球の温帯地域

北米
 北半球の国々では、インフルエンザの活動が少しずつ高まってきましたが、まだ予想されるレベルを下回っていました。
 カナダでは、インフルエンザの活動が高まってきました。しかし、検出数は毎年のこの時期としては低調でした。アメリカ合衆国では、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動が呼吸器検体中のインフルエンザ陽性率が国の基準を下回る2.1%まで下がってきました。(しかし)、インフルエンザの検出数は少しずつ増えてきました。ほとんどの検出数をインフルエンザA(H1N1)pdm09が占めていました。メキシコでは、この数週間でインフルエンザの検出数が少しずつ増えてきました。主にインフルエンザA(H3N2)が検出されました。

ヨーロッパ
 ヨーロッパ北部と東部のほとんどの地域(イギリス、デンマーク、ノルウェー、アイルランド、スウェーデン)とヨーロッパ南東部(ギリシャ、マルタ、スロベニア、トルコ)では、インフルエンザの活動の高まりが引き続き報告されました。しかし、ヨーロッパ西部と南部では、まだ低い状態に留まっています。ヨーロッパ全体では、疫学データが報告された41の国と地域のうち32でインフルエンザの活動が低い状態にあることを示していました。一方、8か国では中等度の活動が報告されました。検出は、ほとんどがインフルエンザA(H1N1)pdm09で、インフルエンザA(H3N2)とB型ウイルスは極僅かでした。2015年年末以降、重症急性呼吸器感染症の数(SARI)の患者が、アルメニア、カザフスタン、ロシア、ウクライナで増加していました。患者層は、主に15-29歳と30-64歳でした。この増加は、検査されたSARI患者においてインフルエンザA(H1N1)pdm09が占めていたことと関連しています。

西アジア
 西アジアでは、イスラエルでインフルエンザ様疾患(ILI)の活動と高まりとA(H1N1)pdm09とインフルエンザBウイルスの検出数の増加が報告されました。ヨルダンでは、この数週間、主にインフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスによるインフルエンザの検出数の増加が報告されました。オマーンでは、(インフルエンザの活動が)高まっていることが報告されました。しかし、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザBの検出数は減ってきており、インフルエンザA(H3N2)ウイルスは僅かでした。バーレーンとイランでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09によるインフルエンザの活動がピークを迎えたようでした。
 パキスタンからは、インフルエンザA(H1N1)pdm09の検出数の増加がこの数週間でみられたことが報告されました。

中央アジア
 中央アジア全体で、引き続き、インフルエンザAウイルス検出によるインフルエンザの活動の高まりが報告されました。

アジア北部/アジア温帯地域
 アジア北部および温帯地域では、インフルエンザの活動レベルの高まりが報告されました。モンゴルでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09の活動レベルの高まりが、この数週間、みられていることが報告されていました。同時に、インフルエンザ様疾患(ILI)の割合は許容範囲内にありましたが、肺炎の割合は許容範囲を超えました。韓国では、インフルエンザの活動がインフルエンザ様疾患(ILI)の割合の増加にともない、国の注意基準を超えました。ほとんどがインフルエンザA(H1N1)pdm09でした。中国北部では、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動がインフルエンザA(H3N2)の検出数の増加にともない高まり始めました。

熱帯地域

中米、カリブ海、南米の熱帯地域
 カリブ海、中米、南米熱帯地域の国々からは、この間に、インフルエンザA(H1N1)pdm09とA(H3N2)、稀にインフルエンザBウイルスの報告にともない、引き続きインフルエンザの活動が報告されました。
 プエルトリコでは、最近、インフルエンザ様疾患(ILI)の活動が高まってきたことが報告されました。コスタリカでは、最近、先ずインフルエンザA(H1N1)pdm09が流行し、インフルエンザA(H3N2)ウイルスがこれに続いていました。インフルエンザの活動の高まりにともないSARIも最近は報告されてきました。

アフリカ熱帯地域
 アフリカ北部と西部では、極小規模のインフルエンザの活動が報告されていました。

アジア熱帯地域
 アジア南部では、これまでの数週間と比べて活動の低下傾向が報告されました。
 スリランカでは、低いレベルながらもインフルエンザA(H3N2)の感染伝播が続いていることが報告されました。
 中国本土では、流行レベルの高まりが認められました。中国南部では、活動の高まりがインフルエンザA(H1N1)pdm09と、次いでインフルエンザB の活動でみられました。
 東南アジアでは、全体的にインフルエンザの活動レベルの低下が認められました。ラオスでは、引き続きインフルエンザの活動のレベルの低下が報告されました。主なウイルスはインフルエンザBウイルスでした。同様に、タイにおけるインフルエンザの検出数も減少してきました。最近の数週間は、主にインフルエンザBウイルスが検出されました。

南半球の温帯地域

南米温帯地域
 南米温帯地域では、インフルエンザ様疾患(ILI)と重症急性呼吸器感染症(SARI)の活動並びに呼吸器系ウイルスの検出数がほとんどの国で低い状態であり、予想の範囲内に留まりました。

アフリカ南部
 南アフリカでは、インフルエンザのオフシーズンが続いています。

オセアニア、メラネシア、ポリネシア
 オーストラリアで、最近、極小規模のA(H1N1)pdm09の活動がみられたと報告されました。

出典

WHO. Influenza Update number 255. 25 January 2016
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2016_01_17_surveillance_update_255.pdf?ua=1