西太平洋地域におけるデング熱の流行状況(更新3)

2016年4月5日付けで世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務所(WPRO)から公表されたデング熱の発生状況の報告です。

註:本サイトの情報は、更新日、各国の情報の形式が異なるため国別の比較はできません。原文には、過去数年間と比較した週別のグラフが掲載されています。さらなる情報は原文を参照してください。

中国

2015年に中国で報告されたデング熱患者数は3,884人でした。患者の多くが9月から10月にかけて報告されています。2015年12月には、デング熱患者62人が報告されました。死亡者は出ていません。12月の月別患者数は11月に報告された患者数(n=470)と比べて減りました。2014年の同時期に報告された患者数(n=180)よりも少なくなっています。

マレーシア

2016年3月27日から4月2日にかけての週に、デング熱の患者数は前週の2,135人から2,130人に減りました。(しかし)これは、2015年の同じ時期の患者数を上回り、2011年から2015年の中央値をも上回っていました。同期間に2人のデング熱による死亡者が報告され、2016年における死亡者数は87人となりました。2015年の同じ時期に報告された死亡者数は108人でした。

フィリピン

2016年2月20日までに、死亡者65人を含む18,790人のデング熱患者が報告されました。これは2015年の同じ時期(n=16,606)と比べて多くなっています。

シンガポール

2016年3月20日から26日までに、前週(n=374)よりも少ない308人の患者が報告されました。過去5年間(2011-2015年)のそれぞれの同じ時期よりは、報告数が多くなっています。

カンボジア

2016年2月20日までに、663人のデング熱患者が報告されました。死亡者はでていません。患者数は、2012年から2015年に見られた患者数の動向に沿って安定しています。第8週目には、前週の75人に対して、15人の患者が報告されました。

ラオス

2016年3月25日までに報告されたデング熱患者数は、死亡者1人を含む237人でした。2016年3月12日から25日までに、季節変動パターンに沿って新たに30人のデング熱患者が報告されました。

ベトナム

2016年1月31日までに、63省のうち38省から死亡者2人を含む13,086人のデング熱患者が報告されました。2016年に報告された累積患者数は、2015年の同じ時期の患者数と比べて多くなっています。また、2010-2014年の患者数(中央値)よりも多くなっています。2015年12 月(患者数17,033人、死亡者数8人)と比べて報告された患者数は23%減少しました。

オーストラリア

2016年3月31 日現在、オーストラリアでは532人のデング熱患者が確定診断されました。これは、2011年から2015年の季節変動傾向に沿っています。

フランス領ポリネシア

2016年3月7日から13日までに、入院患者3人を含む35人のデング熱患者が確定診断されました。患者35人のうち8人はデング熱1型であることが確認されました。2016年第1週から第8週までの患者数は、実質的に流行の閾値を超えています。

パプアニューギニア

西部州ダリにあるダル病院の外来診療科には、2015年11月4日から2016年1月8日にかけて、合計170人の患者が訪れました。うちわけは、臨床診断が126人、確定診断が44人、PCR法検査により型が特定できた患者(デング熱2型)が2人でした。年齢は、6歳から35歳と12%(21/170)の5歳以下の層に分布していました。7人の重症患者が入院となりました。すべての患者が回復し、退院しています。

出典

WHO/WPRO.Update on the dengue situation in the Western Pacific Region. 5 April 2016
Dengue Situation Update Number488
http://www.wpro.who.int/emerging_diseases/dengue_biweekly_20160405.pdf?ua=1[PDF形式:503KB]