西太平洋地域におけるデング熱の流行状況 (更新4)
2016年5月3日付けで世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務所(WPRO)から公表されたデング熱の発生状況の報告です。
註:本サイトの情報は、更新日、各国の情報の形式が異なるため国別の比較はできません。原文には、過去数年間と比較した週別のグラフが掲載されています。さらなる情報は原文を参照してください。
中国
2016年3月31日までに、デング熱患者91人(1月28人、2月45人、3月18人)が報告されました。過去3年間(2012-2015)の同時期と比べると、2016年に中国で報告されたデング熱患者数は増加しています。
マレーシア
2016年4月17日から4月23日にかけての週に、デング熱の患者数は前週の1,854人から減って、1,607人となりました。(しかし)これは、2015年の同じ時期の患者数を上回り、2011年から2015年の中央値をも上回っていました。同期間に2人のデング熱による死亡者が報告され、2016年における死亡者数は94人となりました。2015年の同じ時期に報告された死亡者数は120人でした。
フィリピン
2016年2月20日までに、死亡者65人を含む18,790人のデング熱患者が報告されました。これは2015年の同じ時期(n=16,606)と比べて多くなっています。
シンガポール
2016年4月17日から23日までに、前週(n=225)よりも少ない231人の患者が報告されました。2015年の同じ時期よりも、報告数が多くなっています。
カンボジア
2016年2月20日までに、663人のデング熱患者が報告されました。死亡者はでていません。患者数は、2012年から2015年に見られた患者数の動向に沿って安定しています。第8週目には、前週の75人に対して、15人の患者が報告されました。
ラオス
2016年4月8日までに報告されたデング熱患者数は、死亡者1人を含む260人でした。2016年3月26日から4月8日までに、季節変動パターンに沿って、新たに13人のデング熱患者が報告されました。
ベトナム
2016年2月29日までに、63省のうち39省から死亡者7人を含む16,967人のデング熱患者が報告されました。2016年に報告された累積患者数は、2015年の同じ時期の患者数と比べて多くなっています。また、2010-2014年の同じ時期の患者数(中央値)よりも多くなっています。2016年2 月の患者数は2016年1月(患者数13,086人、死亡者数2人)と比べて30%少なくなっている(原文どおりに記載)ものの、死亡者は5人増えています。
オーストラリア
2016年4月30 日現在、オーストラリアでは802人のデング熱患者が確定診断されました。これは、2011年から2015年の季節変動傾向に沿っています。
フランス領ポリネシア
2016年4月18日から24日までに、入院患者2人を含む30人のデング熱患者が確定診断されました。患者30人のうち3人はデング熱1型であることが確認されました。現在、患者数が流行の閾値を超えています。
パプアニューギニア
西部州ダリにあるダル病院の外来診療科には、2015年11月4日から2016年1月8日にかけて、合計170人の患者が訪れました。うちわけは、臨床診断が126人、確定診断が44人、PCR法検査により型が特定できた患者(デング熱2型)が2人でした。年齢は、6歳から35歳と12%(21/170)の5歳以下の層に分布していました。7人の重症患者が入院となりました。すべての患者が回復し、退院しています。
出典
WHO/WPRO.Update on the dengue situation in the Western Pacific Region. 3 May 2016
Dengue Situation Update Number490
http://www.wpro.who.int/emerging_diseases/dengue_20160503.pdf?ua=1[PDF形式:558KB]