西太平洋地域におけるデング熱の流行状況 (更新8)

2016年8月23日付けで世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務所(WPRO)から公表されたデング熱の発生状況の報告です。

註:本サイトの情報は、更新日、各国の情報の形式が異なるため国別の比較はできません。原文には、過去数年間と比較した週別のグラフが掲載されています。さらなる情報は原文を参照してください。

●中国
2016年7月31日までに、デング熱患者237人が報告されました。過去4年間(2012-2015)の同時期と比べると、この患者数は少なくなっています。

●マレーシア
第32週、デング熱患者は1,963人でした。前回の報告1,819人よりも7.9%増加しました。2015年の同時期の患者数(75,795人)と比べれば患者数は少ないですが、2016年の累積患者数は69,400人となりました。また、第32週には、2016年における累積死亡者数は153人となりました。2015年の同じ時期に報告された死亡者数は212人でした。

●フィリピン
2016年8月6日までに、死亡者372人を含む84,085人のデング熱患者が報告されました。これは、2015年の同じ時期(n=72,627)と比べて15.8%多くなっています。

●シンガポール
第32週に、デング熱患者198人が報告されました。2016年の累積患者数(n=10,508)は、2015年の同じ時期の累積患者数(n=5,867)のほぼ2倍となっていました。一方、季節変動は2015年に沿った傾向を示していました。

●カンボジア
2016年1月1日から5月17日までに、死亡者4人を含むデング熱患者1,771人が報告されました。5月には、患者168人が報告されました。死亡者はでていません。この時点では、患者数は、安定して少ない状態です。

●ラオス
2016年8月12日までに、死亡者9人を含むデング熱患者2,719人が報告されました。2016年8月6日から8月12日までに、新たにデング熱患者187人が報告されました。死亡者はでていません。患者数は前年よりも増加していますが、季節変動に沿った傾向となっています。

●ベトナム
2016年6月30日までに、63省のうち44省から死亡者11人を含む36,639人のデング熱患者が報告されました。2016年6月には、死亡者1人を含む患者5,225人が報告されました。2016年の5月と比べて、患者数は36.7%増えました。2015年の同時期と比べると、累積患者数は184.7%増加していました。また、2010-2015年の同じ時期の患者数(中央値)を比べると、累積患者数は102.7%と多くなりましたが、死亡者数は3人減りました。

●オーストラリア
2016年8月22 日現在で、デング熱患者1,579人が確定診断されました。3月以降、報告された患者数は減少傾向にあり、2011年から2015年の季節変動傾向に沿っています。

●フランス領ポリネシア
第30週には、確定患者45人が報告されました。患者45人のうち11人(24%)で、デング熱1型と確認されました。

●パプアニューギニア
1月1日から6月5日までに、パプアニューギニアを旅行したデング熱患者67人が(オーストラリア)クイーンズランド州健康局から報告されました。これらの患者のうち、5人がデング熱1型、48人がデング熱2型、3人がデング熱3型、1人がデング熱4型で、さらに10人の亜型が検査されています。

●ニューカレドニア
2015年9月1日から2016年8月22日までに、デング熱患者520人が報告されました。2016年7月には、デング熱患者89人が報告されました。

出典

WHO/WPRO.Update on the dengue situation in the Western Pacific Region. 23 August 2016
Dengue Situation Update Number498
http://www.wpro.who.int/emerging_diseases/dengue_biweekly_20160823.pdf?ua=1[PDF形式:808KB]