世界のインフルエンザ流行について (更新24)

2016年12月12日 WHO(原文[英語]へのリンク[PDF形式:675KB]

WHOから発表された2016年11月27日までのデータに基づくインフルエンザの活動状況です。詳細の報告は各地域事務局のサイト情報で掲載されています。詳細は、参考に示された各サイトを基に原文をご参照ください。

要約

北半球温帯地域のインフルエンザの活動が、徐々に高まってきました。

  • 北米では、インフルエンザの活動が徐々に高まってきました。インフルエンザA(H3N2)が伝播しています。インフルエンザ様疾患(ILI)は、まだ流行期の注意レベルを下回っていました。アメリカ合衆国では、RSウイルスの活動の報告が続いていました。
  • ヨーロッパでは、インフルエンザ・ウイルスの活動は低い状態でした。しかし、上昇が始まりました。特に、北欧の国々で上昇してきました。インフルエンザAが伝播しており、最も頻繁に検出される亜型はA(H3N2)でした。今シーズンは、例年よりも早く、定点観測施設での検体でのインフルエンザ陽性率が10%を上回りました。
  • 東アジアでは、中国南部でインフルエンザの活動の高まりが報告されました。伝播しているウイルスは、インフルエンザA(H3N2)でした。
  • 西アジアでは、インフルエンザの検出数が少ない状態でした。
  • アフリカ北部では、モロッコでインフルエンザの検出数が増えてきました。伝播しているウイルスはインフルエンザA(H3N2)でした。
  • カリブ海地域の国々では、インフルエンザ・ウイルスもその他の呼吸器系ウイルスも活動は低い状態でした。中米では、インフルエンザ・ウイルスもその他の呼吸器系ウイルスも活動が徐々に下がってきました。コスタリカではRSウイルスの活動が続いていました。
  • 南米熱帯地域では、インフルエンザ・ウイルスおよび呼吸器系ウイルスの活動が低く留まっていました。例外として、コロンビアではRSウイルスの活動の報告が続いていました。
  • 南アジアでは、イランとスリランカでインフルエンザの検出数が少しずつ増えてきました。この地域で検出されるウイルスは、ほとんどがインフルエンザA(H3N2)ウイルスでした。
  • 東南アジアでは、インフルエンザの活動の低い状態が引き続き報告されました。この地域ではインフルエンザA(H3N2)ウイルスが伝播していました。ベトナムでは、徐々にインフルエンザA(H1N1)pdm09が増えていることが報告されました。
  • アフリカ西部のガーナでは、インフルエンザBウイルスの検出が増えてきました。
  • アフリカ南部では、インフルエンザの活動はオフ・シーズンの状態が続いていました。
  • 南米温帯地域では、インフルエンザ・ウイルスとRSウイルスの活動が地域全体で引き続き低い状態でした。
  • オセアニアからは、インフルエンザ・ウイルスの活動はオフ・シーズンのレベルにあると報告されました。
  • 2016年11月14日から2016年11月27日までのデータが、FluNet(協定世界時間2016年12月9日 03:37:55まで)に基づき、80の国と地域にある国立インフルエンザ・センター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められました。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、この間に93,152本を超える検体が検査されました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となった検体は6,209本で、このうち5,630検体(90.7%)がインフルエンザA型、579検体(9.3%)がインフルエンザB型でした。亜型が解析されたインフルエンザA型ウイルスのうち、112検体(2.9%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、3,787検体(97.1%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザBウイルスのうち、46検体(36.2%)がB-山形系統で、81検体(63.8%)がB-ビクトリア系統でした。

出典

WHO.Influenza Update number278. 12December2016
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2016_12_12_surveillance_update_278.pdf?ua=1[PDF形式:731KB]

参考サイト

アメリカ大陸[北米、中米、カリブ海、南米の熱帯地域、南米温帯地域]

ヨーロッパ事務局、西太平洋地域事務局の関連リンク