世界のインフルエンザ流行について (更新25)

2016年12月26日 WHO(原文[英語]へのリンク

WHOから発表された2016年12月11日までのデータに基づくインフルエンザの活動状況です。詳細の報告は各地域事務局のサイト情報で掲載されています。詳細は、参考に示された各サイトを基に原文をご参照ください。

要約

北半球温帯地域のインフルエンザの活動が、徐々に高まってきました。流行期の初期から、流行のレベルを超える国がいくつも出てきました。世界全体で、インフルエンザA(H3N2)が伝播していました。

●北米では、インフルエンザの活動が高まりを続けていました。伝播しているのはインフルエンザA(H3N2)でした。インフルエンザ様疾患(ILI)は、まだ流行期の警戒レベルを下回っていました。アメリカ合衆国では、RSウイルスの活動の報告が続いていました。

  • ヨーロッパでは、インフルエンザの活動は低い状態でした。しかし、上昇が始まりました。定点観測施設での検体でのインフルエンザ陽性率が28%を上回りました。インフルエンザの検出数が最も高かったのは、ノルウェーとスウェーデンでした。南西ヨーロッパでは、ポルトガルとスペインでインフルエンザの活動が(他の国よりも)高まっていました。
  • 東アジアでは、インフルエンザの活動が高まりを続けていました。インフルエンザA(H3N2)が、流行するウイルスの主体として続いていました。
  • 西アジアでは、インフルエンザの検出数が少しずつ増えてきました。
  • アフリカ北部では、モロッコでインフルエンザの検出数が増えてきました。伝播しているウイルスは、インフルエンザA(H3N2)でした。
  • カリブ海地域の国々では、インフルエンザ・ウイルスもその他の呼吸器系ウイルスも、活動は低い状態でした。中米では、インフルエンザ・ウイルスもその他の呼吸器系ウイルスも、ほとんどの国で少しずつ下がってきました。コスタリカでは、インフルエンザA(H1N1)pdm09とインフルエンザA(H3N2)が同時に伝播し、RSウイルスの活動の報告も続いていました。
  • 南米熱帯地域では、インフルエンザ・ウイルスおよび呼吸器系ウイルスの活動が低いレベルにあることが報告されました。例外として、コロンビアでインフルエンザとRSウイルス両方の活動の報告が続いていました。
  • 南アジアでは、イランとスリランカでインフルエンザの検出数が少しずつ増えてきました。この地域で最も高頻度で検出されるウイルスは、インフルエンザA(H3N2)でした。
  • 東南アジアでは、インフルエンザの活動の低い状態が引き続き報告されました。この地域では、主にインフルエンザA(H3N2)ウイルスが伝播していました。
  • アフリカ西部ではガーナで、インフルエンザBウイルスの検出が増えてきました。
  • アフリカ南部では、インフルエンザの活動はオフ・シーズンの状態が続いていました。
  • 南米温帯地域では、インフルエンザ・ウイルスとRSウイルスの活動が地域全体で引き続き低い状態でした。
  • オセアニアからは、インフルエンザ・ウイルスの活動はオフ・シーズンのレベルにあると報告されました。
  • 2016年11月28日から2016年12月11日までのデータが、FluNet(協定世界時間2016年12月22日 14:50:28まで)に基づき、91の国と地域にある国立インフルエンザ・センター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められました。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、この間に115,769本を超える検体が検査されました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となった検体は12,979本で、このうち12,221検体(94.2%)がインフルエンザA型、758検体(5.8%)がインフルエンザB型でした。インフルエンザA型ウイルスの亜型では、118検体(1.5%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、7,709検体(98.5%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザBウイルスのうち、74検体(48.1%)がB-山形系統で、80検体(51.9%)がB-ビクトリア系統でした。

出典

WHO.Influenza Update number279. 26December2016
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2016_12_26_surveillance_update_279.pdf?ua=1[PDF形式:674KB]

参考サイト

アメリカ大陸[北米、中米、カリブ海、南米の熱帯地域、南米温帯地域]

ヨーロッパ事務局、西太平洋地域事務局の関連リンク