世界のインフルエンザ流行の状況

2017年1月9日 WHO(原文[英語]へのリンク[PDF形式:677KB]

WHOから発表された2016年12月25日までのデータに基づくインフルエンザ流行の状況です。詳細の報告は各地域事務局のサイト情報で掲載されています。詳細は、参考に示された各サイトを基に原文をご参照ください。

要約

北半球温帯地域では、インフルエンザの活動が高まってきました。特に、ヨーロッパとアジアでは、前年と比較して流行のレベルを超える国が多くなっています。世界全体で、インフルエンザA(H3N2)が伝播していました。これまでのところ、ほとんどのインフルエンザの特徴は、インフルエンザ流行(2016-2017)に備えたワクチンで示される成分に照らして、遺伝的に類似しています。抗ウイルス薬への感受性試験では、最近の流行ウイルスの大半は、抗ウイルス薬ノイラミニダーゼ阻害剤に感受性を示しました。

  • 北米では、インフルエンザの活動が高まりを続けていました。インフルエンザA(H3N2)が伝播していました。インフルエンザ様疾患(ILI)は、アメリカ合衆国で流行期の警戒レベルを上回りました。アメリカ合衆国では、RSウイルスの活動が高まってきました。
  • ヨーロッパでは、インフルエンザの活動が高まってきました。流行している型はほとんどがインフルエンザA(H3N2)でした。65歳を超える人では、かなりの頻度で重症化と関係していました。
  • 東アジアでは、インフルエンザの活動が高まりを続けていました。ほとんどがインフルエンザA(H3N2)でした。
  • 西アジアでは、インフルエンザの活動が少しずつ高まってきました。
  • 南アジアでは、主にインフルエンザA(H3N2)により、インフルエンザの活動が高まってきました。この数週間、イランとスリランカでインフルエンザの活動が報告されていました。
  • 東南アジアでは、インフルエンザの活動は下がってきていました。この地域では、主にインフルエンザA(H3N2)ウイルスとインフルエンザBが伝播していました。
  • アフリカ北部では、モロッコとチュニジアで、インフルエンザの検出数が増え続けていることが報告されました。主なウイルスはインフルエンザA(H3N2)でした。
  • アフリカ西部では、ガーナで、インフルエンザBウイルスの検出が続いていました。
  • カリブ海地域の国々と中米では、インフルエンザ・ウイルスもその他の呼吸器系ウイルスも、活動は低い状態でした。
  • 南米熱帯地域では、インフルエンザ・ウイルスおよび呼吸器系ウイルスの活動は低いレベルに留まっていました。
  • 南半球温帯地域では、インフルエンザ・ウイルスの活動はオフ・シーズンのレベルでした。
  • 2016年12月12日から2016年12月25日までのデータが、FluNet(協定世界時間2017年1月6日 04:12:46まで)に基づき、74の国と地域にある国立インフルエンザ・センター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められました。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、この間に124,657本を超える検体が検査されました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となった検体は25,263本で、このうち24,223検体(95.9%)がインフルエンザA型、1,040検体(4.1%)がインフルエンザB型でした。インフルエンザA型ウイルスの亜型では、159検体(1.3%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、11,927検体(98.7%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザBウイルスのうち、67検体(34.9%)がB-山形系統で、125検体(65.1%)がB-ビクトリア系統でした。

出典

WHO.Influenza Update number280. 09 January 2017
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2017_01_09_surveillance_update_280.pdf?ua=1[PDF形式:677KB]

参考サイト

アメリカ大陸[北米、中米、カリブ海、南米の熱帯地域、南米温帯地域]

ヨーロッパ事務局、西太平洋地域事務局の関連リンク