太平洋における症状・疾患サーベイランス報告 (更新10)

2016年50-52週に報告されたWHO西太平洋地域事務局(WPRO)のサーベイランス情報をまとめて掲載いたします。

  1. 註1:発生時期に時間差がありますので、詳細は原文でお確かめください。
  2. 註2:[ ]の数字は報告週です。

太平洋地域での症状・疾患サーベイランス報告システム(PSSS)では、伝染性感染症の発生を示唆する情報の報告をしています。データは、急性発熱と発疹、下痢、インフルエンザ様疾患、遷延性の発熱の4つの症状群について、太平洋地域の23か国200か所以上の医療施設から収集されています。PSSSは、伝染性感染症に対する極めて貴重な早期警報ツールとしての、また、太平洋諸島の地域と国々、WHO、太平洋共同体のようなその他の国際機関との間で定期的に連絡をとる機構制度としての役目を果たしています。

概要

  1. 下痢:ミクロネシア連邦[52]
  2. インフルエンザ様疾患:アメリカ領サモア[50]、キリバス[50-52]、クック諸島[51、52]

疾患別の発生状況

デング熱

バヌアツ:2016年11月11日より2017年1月5日までに、4,011人の疑い患者が出ました。患者2人からの検体でデング熱2型であることが、ニュージーランド・環境科学研究所(ESR)で確認されました[ここまで52週より]。2016年11月11日より12月29日までの疑い患者は359人でした。12月9日に、保健省のデング対策本部は、すべての疑い患者を検査することはしないと決断しました。検査は、新しく発生した地域の患者、重症デング熱のみが対象で行われ、1日2例ほどで新たな亜型のデング熱やジカウイルス感染症、チクングニア熱などが持ち込まれた可能性を調べるために検査されています[ここまで51週より]。2016年11月11日より12月22日までの疑い患者は264人でした[ここまで50週より]。

ソロモン諸島:2016年8月15日より12月11日までに、デング熱患者6,294人が出ました。最近に採取された検体がニュージーランドで検査され、60%でデング熱2型であることが確認されました。12月11日までの週には、患者36人が入院しました。死亡者は出ていません。

A型肝炎

マーシャル諸島:9月中旬より12月12日までに、疑い患者42人が発生し、このうち12月には患者3人が確認されました。全員が首都マジュロからの発生でした。ほとんどの患者が学童前か小学生の子どもでした。患者の21%が疫学的に関連づけられました。(この島では)A型肝炎ワクチンは小児の定期の定期予防接種には含まれていません。

インフルエンザ

キリバス:患者数が増加しており、インフルエンザAが分離されました。

出典