世界のインフルエンザ流行の状況 (更新)

2017年1月23日 WHO(原文[英語]へのリンク[PDF形式:681KB]

WHOから発表された2017年1月8日までのデータに基づくインフルエンザ流行の状況です。詳細の報告は各地域事務局のサイト情報で掲載されています。詳細は、参考に示された各サイトを基に原文をご参照ください。

要約

北半球温帯地域では、インフルエンザの活動の高まりが続いています。特に、東アジア、ヨーロッパとアジアの国々では、前年よりも早く流行のレベルを超えました。世界全体では、主流はインフルエンザA(H3N2)でした。これまでのところ、ほとんどのインフルエンザ・ウイルスの特徴は、北半球インフルエンザ流行(2016-2017)で使用されているワクチンに含まれる成分に照らして、遺伝的に類似していました。最近の抗ウイルス薬への感受性試験では、採取されたウイルスはすべてが、抗ウイルス薬ノイラミニダーゼ阻害剤に感受性を示しました。

  • 北米では、インフルエンザの活動が高まりを続けていました。インフルエンザA(H3N2)が伝播していました。インフルエンザ様疾患(ILI)は、アメリカ合衆国で流行期の警戒レベルを上回り、RSウイルスの活動の報告も続いていました。
  • ヨーロッパでは、インフルエンザの活動が高い状態でした。流行している亜型はほとんどがインフルエンザA(H3N2)でした。65歳を超える人では、かなりの頻度でインフルエンザが重症化と関係づけられました。
  • 東アジアでは、インフルエンザの活動の高い状態の報告が続いていました。ほとんどがインフルエンザA(H3N2)でした。
  • 西アジアでは、インフルエンザの活動が少しずつ高まってきました。
  • 南アジアでは、インフルエンザの活動がほとんどの国で低い状態でした。イランとスリランカで、インフルエンザA(H3N2)の検出の報告が続いていました。
  • 東南アジアでは、インフルエンザの活動は低い状態でした。この地域では、主にインフルエンザA(H3N2)ウイルスとインフルエンザBが伝播していました。
  • アフリカ北部では、モロッコとチュニジアで、インフルエンザの検出数の報告が続いていました。主なウイルスはインフルエンザA(H3N2)でした。
  • アフリカ西部では、ガーナで、インフルエンザBウイルスの検出が続いていました。
  • カリブ海地域の国々と中米では、インフルエンザ・ウイルスもその他の呼吸器系ウイルスも、活動は全般的に低い状態でした。
  • 南米熱帯地域では、インフルエンザ・ウイルスおよび呼吸器系ウイルスの活動は低いレベルに留まっていました。
  • 南半球温帯地域では、インフルエンザ・ウイルスの活動はオフ・シーズンのレベルでした。
  • 2016年12月26日から2017年1月8日までのデータが、FluNet(協定世界時間2017年1月20日 09:52:23まで)に基づき、97の国と地域にある国立インフルエンザ・センター(NICs)とその他の国立インフルエンザ研究施設から集められました。WHO世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)の検査施設では、この間に165,297本を超える検体が検査されました。インフルエンザ・ウイルスが陽性となった検体は40,259本で、このうち38,809検体(96.4%)がインフルエンザA型、1,450検体(3.6%)がインフルエンザB型でした。インフルエンザA型ウイルスの亜型では、422検体(2.6%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09、15,893検体(97.4%)がインフルエンザA(H3N2)でした。解析されたインフルエンザBウイルスのうち、116検体(49.8%)がB-山形系統で、117検体(50.2%)がB-ビクトリア系統でした。

出典

WHO.Influenza Update number281. 23 January 2017
http://www.who.int/influenza/surveillance_monitoring/updates/2017_01_23_surveillance_update_281.pdf?ua=1[PDF形式:681KB]

参考サイト

アメリカ大陸[北米、中米、カリブ海、南米の熱帯地域、南米温帯地域]

ヨーロッパ事務局、西太平洋地域事務局の関連リンク