2017年のニュース

キンシャサでエボラ出血熱対策会議を開催

 2017年5月13日付けで公表されたWHOの情報によりますと、WHOアフリカ地域事務局長Matshidiso Moeti博士は、エボラ出血熱の感染発生への対策会議に出席するために(コンゴ民主共和国の)首都キンシャサに向かいました。

これまでの経緯

 2017年5月13日に、エボラ出血熱の感染発生を阻止に向けて、迅速かつ効果的で、一貫した対応策を実施する方法について、この国の担当部局や支援組織とともに検討するために、WHOアフリカ地域事務局長Matshidiso Moeti博士が首都キンシャサを訪れました。

 今回の(キンシャサ)訪問は、DRCが、中央アフリカ共和国と国境を接するコンゴ民主共和国(DRC)北部Bas Uele(バ・ズエレ州)Likati保健行政地区で、エボラ出血熱が発生したことの報告に続いた対応です。Likati保健行政地区は、首都(キンシャサ)から約1400km離れたところに位置します。これまでに、死亡者3人を含む疑い患者11人が報告されています。

 Moeti博士は会議で、次のように述べました。「私は、国連やその他の支援組織ととともに、この感染発生への対応に協力することを、コンゴ民主共和国政府に保証するために、ここに来ています。この感染の発生に、協力しながら、取り組んでいきましょう。WHOは、既に技術的な専門家を現地に派遣するための招集を行い、いつでも、対策の調整を図り、効果的にこれを実施するために必要とされる指導者と技術的な専門家を派遣するように準備しています。私は、保健当局と協力して、自らの健康を守るために自らに必要とされる対策を取ることを、国民に要請します。」

 2017年5月10日には、WHOおよび、新たに(設立された)WHO緊急事態対応計画(WHO Emergency Programme)、並びに支援組織からの支援の下で、(DRC)保健省が多種多様な分野のチームを編成しました。このチームは、Bas Uele(バ・ズエレ州)Likati保健行政地区に派遣され、詳しい調査を開始しました。この保健行政地区は、遠隔地で、孤立しており、行き着くことも難しい北部に位置しており、疑われた感染の発生に関する情報の伝達も遅れてしまうほどに、交通手段も通信ネットワークも限られています。現在、キンシャサから感染発生地に到着するまでには、約2~3日かかります。

 GOARN(地球規模感染症に対する警戒と対応ネットワーク)は、必要に応じて、支援提供の追加を行うために活動しています。疫学調査の強化、接触者の追跡、患者の管理、地域活動の参加などが進められています。

 コンゴ民主共和国保健省大臣Oly Ilunga Kalenga博士は、次のように付け加えました。「我々は、この感染発生を確認するための調査を実施する上で、WHOや他にも各支援組織が支援に向けて迅速に対応してくれたことに感謝しています。」「多種多様な分野での強力な対策、よりよい協調関係、国民の(感染への注意)意識の向上、地域活動への参加、十分な人的・物的資源は、感染発生を阻止しようとする我々の取り組みの中で、欠くことにできないものです。」

 最初の患者は、45歳 男性(Outbreak Newsでは39歳 男性ですが、原文どおりに記載します。)で、4月22日に発症しました。彼は、タクシーで病院に運ばれ、到着して死亡しました。その運転手も、その後、病気に罹り、死亡しました。最初の患者を世話していた3人目の患者も病気に罹り、その後に死亡しました。現在、死亡した2人目の患者との接触者25人の健康監視が行われています。これらの患者と死亡のうち、1人はエボラ出血熱に対してPCR法検査で陽性と判定されました。

 これは、1976年にDRCでエボラ出血熱が発見されて以降、8回目の感染の発生になります。2014年8月24日に始まったエボラ出血熱の感染発生は、WHOの勧告に則って、DRC保健省とWHOによって2014年11月20日に終息が宣言されました。この感染の発生では、確定患者38人と感染の可能性の高い患者28人がEquateur(赤道州)Boendeで発生し、うち49人が死亡しました。
・2014年:赤道州:(Watsi Kengo、Lokolia、Boende、Boende Muke)を発端に、死亡者49人を含むエボラ出血熱患者66人が発生。
・2012年:Orientale(旧区分、東部州)Isiro(イシロ)で死亡者34人を含むエボラ出血熱患者62人が発生(Bundibugyo[ブンディブギョ型])。(Outbreak Newsとは数値が異なりますが、原文どおりに記載)
・2008年~2009年:Kasaï-Occidental(東部カサイ州)で死亡者15人死亡を含むエボラ出血熱患者32人が発生(ザイール型)。
・2007年:Kasaï-Occidentalで死亡者187人を含むエボラ出血熱患者264人が発生(ザイール型エボラウイルス)。
・1995:Kikwit(バンドゥドゥ州)で死亡者245人を含むエボラ出血熱患者317人が発生。(Outbreak Newsとは数値が異なりますが、原文どおりに記載)
・1977:患者1人が発生(赤道州Tandala)。
・1976年:Yambukuで死亡者280人を含む患者318人が発生(ザイール型)。

 2017年の感染発生の全貌は、まだ明らかではありません。広範な地域での調査とリスク・アセスメントが実施されており、確認されたことは、その都度、発表されます。WHOは、現在入手できている情報に基づく限り、DRCへの旅行や貿易の制限を勧めてはいません。

出典

WHO. Press release, Media Centre. 13 May 2017
WHO Regional Director for Africa, Dr Matshidiso Moeti travels to Kinshasa to discuss Ebola outbreak response
http://www.who.int/mediacentre/news/statements/2017/ebola-drc-2/en/