デング熱と重症型のデング熱について (ファクトシート最新)

2022年1月10日 WHO(原文〔英語〕へのリンク

要点

・デング熱は、感染した蚊に刺されることで人に感染するウイルス性感染症です。この病気を媒介する主な蚊は、多くの場合ネッタイシマカAedes aegyptiヒトスジシマカAedes albopictus が媒介することもあります。
・デング熱の原因は、デングウイルス(DENV)です。デングウイルスの血清型は4種類あるため、同一の個人が4回感染する可能性があります。
・重症型デング熱は、アジアやラテンアメリカの一部の国で、重症化し死亡する主要な原因となっています。医療専門家による管理が必要です。
・デング熱/重症型デング熱に特異的な治療法はありません 。しかし、早期発見と適切に医療機関を受診することにより、死亡率を1%未満に低下させることができます。
・デング熱は、世界中の熱帯・亜熱帯気候の地域で見られ、主に都市部や半都市部に集中しています。
・デング熱の世界的な発生率は劇的に増加しており、現在では世界人口の約半数が危険にさらされています。毎年1億から4億人の感染があると推定されていますが、80%以上は一般的に軽症で無症状です。
・デング熱の予防と対策には、効果的な媒介蚊駆除が肝要です。地域社会の継続的な関与が重要になります。
・デングウイルス感染症はほとんどが軽症でインフルエンザ様の急性症状がでることもあります。時に、重症型デング熱と呼ばれる致死性の合併症に発展することもあります。

概要

デング熱は蚊が媒介するウイルス性感染症で、近年、WHOの事務所がある全地域に急速に広がっています。デング熱ウイルスは、主にネッタイシマカのメスによって媒介され、次いでヒトスジシマカも媒介蚊となり得ます。これらの蚊は、チクングニア熱、黄熱、ジカウイルス感染症なども媒介します。デング熱は熱帯地方に広く分布しており、そのリスクは気候や社会的・環境的要因に左右されるため、地域差があります。
 
デング熱は様々な疾患を引き起こします。疾患は、感染していることに気づかない不顕性感染から、重度のインフルエンザ様症状まで、多岐にわたります。あまり一般的ではありませんが、重度の出血、臓器障害、血漿漏出などを伴う合併症である重症型デング熱を発症する人もいます。重症型デング熱は、適切に管理されないと死亡する危険性が高くなります。重症型デング熱は、1950年代にフィリピンとタイで発生したデング熱の流行時に初めて確認されました。今日、重症型デング熱はアジアやラテンアメリカのほとんどの国で発生しており、これらの地域の子供や成人の入院や死亡の主な原因となっています。
 
デング熱を起こすウイルスはフラビウイルス属に所属し、4種類の異なる血清型(DEN-1、DEN-2、DEN-3、DEN-4)があり、それぞれの型が密接に関係しています。ひとつの血清型のウイルスに感染して回復すると、その血清型への免疫力が生涯にわたり続きます。しかし、回復後、他の血清型への交差免疫は部分的かつ一時的となります。他の血清型ウイルスに続けて感染すると、重症型のデング熱になるリスクが増加します
 
デング熱は、4つの血清型にそれぞれ異なった疫学的特徴があります。これらのウイルスは地域内で同時に流行することがあり、実際、多くの国で4つの血清型がすべて常在する状態になっています。デング熱は、人々の健康、世界経済・各国経済の両方に甚大な影響を及ぼしています。デングウイルスは感染した人が旅行することによってあちこちに運ばれることが多く、その地域に媒介蚊が存在する場合、新たな感染サイクルが確立する可能性があります。

デング熱による世界的な影響

デング熱の罹患率は、ここ数十年間に世界中で劇的に増加しています。圧倒的多数の感染例が無症候であるうえ、たくさんの患者が誤って診断されていることから、デング熱の患者数は、実際より少なく報告されています。
 
あるモデルによる推定では、年間3億9000万人のデングウイルス感染(信頼水準95%[2億8400万人-5億2800万人]) があり、そのうち9600万人(6700万~13600万)が重症度を問わず臨床的に症状が現れるとされています。別の研究では、39億人がデングウイルスの感染リスクにさらされていると推定されています。129カ国に感染のリスクが存在し、実際の感染の脅威の70%はアジアにあります。
 
WHOに報告されたデング熱の症例数は、2000年の505,430例から、2010年には240万例以上、2019年には520万例と、過去20年間で8倍以上に増加しています。2000年から2015年の間に報告された死亡者数は960人から4,032人に増加し、主に若い年齢層が影響をうけています。2020年と2021年には、死亡報告、総患者数ともに減少していますが、データはまだ不完全です。新型コロナウイルス感染症の大流行により、症例報告が機能していない国もある可能性があります。
 
過去20年間の患者数の大幅な増加は、デング熱を記録し、保健省やWHOに報告するという国の取り組みの変化によるものですが、政府がデング熱の脅威を認識し、報告することの重要性を認識した結果でもあります。

分布と発生状況

1970年以前は、重症型のデング熱の流行はわずかに9か国のみでした。今日では、この疾患は、アフリカ、南北アメリカ大陸、東地中海、東南アジア、西太平洋のWHOによる地域の100か国以上で流行しています。アメリカ大陸、東南アジア、西太平洋の地域では、感染による被害が最も深刻となっています。
 
ヨーロッパを含む新しい地域への感染拡大により患者数が増加しているだけでなく、爆発的な大発生が起こっています。2010年にはフランスとクロアチアで初めてデング熱の局地的な伝播が報告され、ヨーロッパの他の3か国で輸入例が確認されました。2012年にはポルトガルのマデイラ島でデング熱のアウトブレイクが起こり、2,000人を超える患者が報告され、ポルトガルと他のヨーロッパ10か国で輸入例が確認されました。 現在では、ヨーロッパの国々で、毎年その数は少ないものの自国での感染例が確認されています。
 
世界的に過去最大のデング熱患者数が報告されたのは、2019年でした。すべての地域が影響を受け、アフガニスタンでは初めてデング熱の感染が記録されました。
 
アメリカ地域だけで310万件の症例が報告され、2万5000件以上が重症と分類されました。このような莫大な症例数にもかかわらず、デング熱の関連死亡者数は前年度より少ない結果でした。
 
アジアでは、バングラデシュで10万1000人、マレーシアで13万1000人、フィリピンで42万人、ベトナムで32万人と多くの症例が報告されています。
 
2020年デング熱は、バングラデシュ、ブラジル、クック諸島、エクアドル、インド、インドネシア、モルディブ、モーリタニア、マヨット(フランス領)、ネパール、シンガポール、スリランカ、スーダン、タイ、東チモール、イエメンで患者数が増加したと報告されています。また、2021年は、ブラジル、インド、ベトナム、フィリピン、クック諸島、コロンビア、フィジー、ケニア、パラグアイ、ペルー、レユニオン諸島で、引き続き感染が発生しています。
 
新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、世界中の医療と管理体制には多大な負荷がかかっています。WHOは、デング熱やその他のアルボウイルス性の疾患などのような媒介生物による感染症を、新型コロナウイルス感染症パンデミックの期間中にも引き続き予防、発見、治療する努力を継続することの重要性を訴えています。新型コロナウイルス感染症とデング熱の流行が複合的に影響し、感染リスクのある人々に壊滅的な被害をもたらす可能性があります。

感染経路

蚊の刺咬による感染
感染した雌の蚊、主にネッタイシマカに刺されることでウイルスに感染します。ヤブカ(Aedes)属の他の種も媒介蚊となりますが、ネッタイシマカが主要な媒介昆虫です。
 
デングウイルス感染者を刺咬した後、ウイルスは蚊の体内で複製され、その後、唾液腺などの二次組織に播種される。ウイルスを取り込んでから、実際にヒトに感染させるまでの期間をEIPと呼びますが、EIPは温度が25-28℃の場合、約8-12日です。EIPの変動は、環境温度だけでなく、日々の気温変動の大きさ、ウイルスの遺伝子型、初期のウイルス濃度など、多くの要因によって変化します。一度感染すると、蚊は一生ウイルスを伝播します。
 
ヒトから蚊への感染
蚊は、デングウイルス感染者である人からウイルスに感染することがあります。これは、症状のあるデング熱感染者、まだ症状のない感染者(前症候群)、また病気の兆候を示さない人(無症候群)すべてにおいて起こります。
ヒトから蚊への感染は、症状が出る2日前から解熱した2日後まで起こる可能性があります。
蚊への感染リスクは、患者の血液内のウイルス量と高熱と正の相関があり、逆に、デング特異的抗体の高値は蚊への感染リスクの低下と関連しています(Nguyen et al.2013 PNAS)。多くの人ではウイルスが血液中に存在するのは4~5日程度ですが、12日間も続くことがあります。
 
母子感染
ヒトの間のデングウイルスの主な感染様式は、蚊の媒介によるものです。しかし、母体感染(妊娠中の母親から赤ちゃんへの感染)の可能性を示す証拠もあります。垂直感染率は低いようですが、垂直感染のリスクは、妊娠中のデング熱感染のタイミングと関係があるようです。母親が妊娠中にデングウイルスに感染した場合、子は早産、低出生体重、胎児仮死の可能性があります。
 
その他の感染様式
血液製剤、臓器提供、輸血を介した感染例がまれに記録されています。また同じくまれですが、蚊においてウイルスの垂直感染も記録されています。(子孫にウイルスが受け継がれる)。

媒介蚊の生態

デング熱の主な媒介昆虫はAedes aegypti(ネッタイシマカ)です。 樹木の穴など自然の水たまりでも繁殖しますが、現在では都市部の生息環境によく適応し、バケツ、壺、廃棄容器、使用済みタイヤ、排水溝などの人工的な水たまりでも繁殖するため、人口密度の高い都市部でもデング熱の危険は潜んでいます。ネッタイシマカは日中に血を吸い、早朝と日没前の夕方が刺咬のピークです。メスが産卵した卵は乾燥した状態で数ヶ月間生存可能で、水に触れると孵化します。
 
ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)はネッタイシマカの次にデング熱を媒介する昆虫です。ヒトスジシマカは、アメリカでは32州以上、ヨーロッパ地域の25カ国以上に生息が確認されており、主に使用済みタイヤの輸出入(繁殖地となる水たまりができるため)やその他の商品(開運竹などの植物等)の取引に伴って増加しています。プランテーションを含む植物が密生した場所を好んで繁殖するため、ゴムやパーム油のプランテーションに従事するような農村部の労働者の感染リスク上昇につながっています。一方、都市部にも多く繁殖していることが確認され、ヒトスジシマカの高い環境適応性がうかがわれます。卵の状態でも成虫の状態でも、寒い条件に耐えられることが大きな要因です。 ネッタイシマカ同様、ヒトスジシマカも日中に血を吸い、ネッタイシマカが存在しないか、生息数が少ない地域において、デングウイルスの主要幹線生物となります。

疾病の特徴(徴候・症状)

デング熱患者の大半は無症状または軽症です。重症のインフルエンザ様疾患で、乳幼児、から成人まで感染しますが死亡することは滅多にありません。感染した蚊に刺されてから4~10日の潜伏期間を経て、症状は通常2~7日間続きます。WHOはデング熱を大きくデング熱(警告サインあり/なし)と重症型デング熱の2つに分類しています。デング熱の警告サインあり/なしという分類は、医療従事者が入院のための患者のトリアージを行い、綿密な観察を行い、より重症のデング熱を発症するリスクを最小限に抑えるために考案されました。
 
デング熱
 
発熱期となる2~7日間に40℃近い高熱を伴い、以下の症状のうち2つ以上を伴う場合、デング熱を疑う必要があります。
 
・激しい頭痛
・目の奥の痛み
・筋肉や関節の痛み
・吐き気
・嘔吐
・リンパの腫れ
・発疹
 
重症型デング熱
 
発症から通常3~7日ほどで、重篤な状態に入ります。24~48時間の間に、ごく一部の患者で症状の急激な悪化が見られ、患者の熱は38℃以下に下がり、重症型デング熱に関連する血漿漏出、体液貯留、呼吸促迫、重度の出血、臓器不全など 、致命的な合併症が現れます。
 
医師が注目すべき症状は以下の通りです。
 
・激しい腹痛
・持続的な嘔吐
・頻呼吸
・歯肉や鼻からの出血
・倦怠感
・不安・興奮状態
・肝肥大
・嘔吐物や便に血が混じる
 
発症3~7日後にこれらの症状が現れた場合、合併症や死亡のリスク減らし、適切な医療を提供できるよう、その後24~48時間の厳重な経過観察が必要で、回復期にも同様な観察を続ける必要があります。

診断

DENV感染症の診断にはいくつかの方法があります。患者の来院時期によって、適切な診断法を使用する必要があります。発病後1週間以内に採取された患者サンプルは、以下の2つの方法で検査します。
 
ウイルス分離法 (病原体診断)
感染後数日のうちは血液からウイルスが分離されることがあります。逆転写酵素-ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法の利用が最適と考えられています。しかし、これらの検査を行うには、特別な機器とスタッフの習熟が必要です。
また、NS1と呼ばれるウイルスが産生するタンパク質を検査することで、ウイルスを検出することもできます。これには、市販の迅速診断薬があり、結果を判定するのに20分程度しかかからず、検査に特別な技術や設備を必要としません。
 
血清学的方法 (血清診断)
ELISA法などの血清学的診断法は、抗体の検出により、最近または過去の感染の有無を確認することができます。IgM抗体は、感染後1週間で検出可能となり、約3ヶ月間検出可能な状態が続きます。IgM抗体の存在は、最近のデングウイルス感染を示唆するものです。IgG抗体は上昇に時間がかかり、数年間体内に残ります。IgGが検出された場合、過去のデングウイルス感染の可能性が示唆されます。

治療

デング熱に対する特別な治療法はありません。患者は安静にし、水分補給をし、医師の診断を受ける必要があります。臨床症状やその他の状況に応じて、患者は自宅待機、入院治療か、緊急入院や 救急搬送が必要となります。
 
解熱剤や鎮痛剤などの支持療法は、筋肉痛や発熱などの症状を抑えるために服用します。
 
・これらの症状の治療には、アセトアミノフェンやパラセタモールが最も適しています。
・イブプロフェンやアスピリンなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は避けた方がよいでしょう。これらの抗炎症剤は抗凝固作用があり、出血の危険性がある疾患では、抗凝固作用は予後を悪化させる可能性があります。
 
重症型デング熱の場合、病気の影響や進行に精通した医師や看護師による治療が救命率を上げ、死亡率はほとんどの国で1%未満に減少しています。

デング熱に対するワクチン

サノフィ・パスツールが開発した最初のデング熱ワクチン「デングワクシア®」(CYD-TDV)は2015年12月に承認され、現在、~20カ国で規制当局から承認されています。2017年11月、ワクチン接種時の血清抗体保有状態を後ろ向きに判定する追加分析の結果が発表されました。この分析では、初回接種時に血清抗体陰性と考えられる被験者群では、未接種の被験者と比較して、デング熱がより重症化するリスクやデング熱による入院のリスクが高いことが示されました。この結果から、CYD-TDVワクチンの使用は、デング熱流行地域に居住し、過去に1回以上デングウイルスに感染したことがある9~45歳の人を対象としています。この他にも、いくつかのデングワクチンの候補が現在試験中です。
 
CYD-TDVワクチンに関するWHOの見解
「デングワクシア」ワクチンに関するWHOポジションペーパー(2018年9月)に記載されているように、デング熱弱毒生ワクチンCYD-TDVは、デングウイルス感染の既往がある個人(血清陽性者)において有効かつ安全であることが臨床試験で示されています。デング熱対策プログラムの一環としてワクチン接種を検討している国には、ワクチン接種前のスクリーニングが推奨されています。この場合、抗体検査、または過去に臨床検査でデング熱感染が確認されたことを示す文書に基づく、デング熱感染既往の証拠がある人だけがワクチン接種を受けることになります。ワクチン接種前のスクリーニング手法の実施については、各国で利用可能な検査の感度や特異性、地域の優先課題、デング熱の疫学、国特有のデング熱入院率、CYD-TDVとスクリーニング検査の両方の価格などを考慮し、慎重に判断する必要があります。
 
ワクチン接種は、デング熱の総合的な予防・制御戦略の一環として検討されるべきです。また、適切で長期的な媒介蚊の駆除など、他の疾病予防策も継続的に行う必要があります。ワクチン接種の有無にかかわらず、デング熱に似た症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。

リスク要因

デングウイルスに罹患歴のある人は、重症型デング熱を発症するリスクが高くなります。
 
特に非計画的な都市化によって起きる、人口密度の変化や、人の移動、安全な水の確保、水の貯蔵方法など、様々な社会的・環境的要因がデング熱の感染に関係しています。
 
デング熱に対する地域社会のリスクは、デング熱に対する住民の知識、意識、習慣、そして地域社会において日常的に続けている媒介蚊対策活動の実施状況にも左右されます。
 
その結果、熱帯・亜熱帯地域の気候変動に伴い、リスクは変化し、媒介蚊は新しい環境と気候に適応していく可能性があります。

予防と対策

デング熱に感染していることがわかったら、発病後1週間は、それ以上蚊に刺されないようする必要があります。この時期には血液中にウイルスが存在している可能性があるため、蚊の吸血を通してさらなるウイルスを媒介する蚊を増やしてしまい、その蚊が他の人をさらに感染させる可能性があるからです。
 
デング熱は、媒介蚊の繁殖地が人間の居住地に近いことが大きなリスク要因となっています。 現在、デングウイルスの伝播を制御・予防する主な方法は、蚊の駆除です。これは以下のような方法があります。
 
蚊の繁殖を防ぐ
・蚊の繁殖防止:環境管理・改変により、蚊が産卵する場所をなくす。
・空容器などを適切に廃棄し、水溜まりによりできる蚊の生息地を除去する。
・家庭用貯水槽には蓋をし、週単位で清掃と水の入れ替えを行う。
・区外の貯水容器を適切に殺虫処理する。
 
蚊に刺されないため個人がとるべき方法
・網戸、虫よけ剤、蚊取り線香やそれに準ずる器具などを使用する。媒介蚊は終日活動するので、昼夜を問わず家の中でも外でも(例えば、職場や学校でも)実施する。
・蚊に刺されにくい服装を心がける。
 
コミュニティとの連携
・蚊が媒介する疾病のリスクについて地域社会を啓発する。
・継続的な媒介蚊対策への参加の促進や動員を図るため、地域社会との関わりを深める。
 
媒介蚊やウイルスの監視
・蚊とウイルスの積極的な監視により蚊の数と種について積極的なサーベイランスを行い、実施している管理介入の効果を判断する。
・各地点での蚊の収集とスクリーニングにより、蚊の群れにおけるウイルスの流行を予測的に監視する。
・媒介蚊の調査は、臨床および環境サーベイランスと組み合わせて実施することも可能。
さらに、多くの国際的な共同研究者グループがデング熱の感染を阻止する世界的な活動に資する新しい手法や画期的な戦略を求めて研究を続けています。WHOは、持続可能で効果的な地域適応型の媒介蚊管理介入を目指し、媒介蚊管理手法の統合を呼びかけています。

WHOの取り組み

WHOはデング熱に対して以下のような対応をしています:
・検査施設の共同研究ネットワークを通して、流行状況を確認する各国への支援
デング熱の流行に効果的に対応するための技術的支援やガイダンスの提供
報告システムの改善や、疾病負荷を正確に把握するための各国への支援
・協力センターとともに、国や地域レベルで臨床管理、診断、媒介蚊の制御に関する研修の実施。
・エビデンスに基づく戦略や政策の策定。
・デング熱の予防と制御戦略の策定と「世界媒介生物制御対策(2017-2030)」の採択において各国を支援。
・殺虫剤製品や散布技術など、新しい方法の開発。
・100以上の加盟国からデング熱および重症型デング熱の公式記録を収集。
・加盟国向けのサーベイランス、症例管理、診断、デング熱の予防と制御に関するガイドラインやハンドブックを発行。

出典

WHO. Fact Sheets, 10 January 2022
Dengue and severe dengue
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/dengue-and-severe-dengue