A型肝炎(Hepatitis A)

A型肝炎(Hepatitis A)とは

A型肝炎はA型肝炎ウイルス(HAV)による一過性の感染症です。B型およびC型肝炎と比べると慢性化することは稀です。感染症法では4類感染症に分類されています。

どうやってうつる

ヒトからヒトへの直接的な接触(糞口感染)、または汚染された食品や水の摂取によって感染します。冷凍してもウイルスは不活化されず、氷や冷凍食品を介して感染する可能性があります。また、性交渉によって感染することもあります。

症状

ウイルスに感染し、2~7週間の潜伏期間の後に、急な発熱、全身のだるさ、食欲不振、吐き気や嘔吐が見られ、数日後には黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなること)が現れます。潜伏期間が長いので、感染機会は前回の旅行時であったということもあります。
成人は小児よりも症状が現れやすく、高齢者では重症度と死亡率が高くなります。6歳未満の小児の場合、ほとんど(70%)は症状がありません。
成人や年長の子供では、症状は通常は2カ月未満で自然に改善しますが、中には(10~15%)長期化・再発し、症状が6~9カ月継続することもあります。

治療

特別な治療法はありません。症状に応じて治療し、安静にして抗体ができることを待ちます。

予防

予防接種
日本では、ワクチンは2~4週間の間隔で2回接種します。24週間後に3回目の接種をすると免疫が強化され、5年間は有効といわれています。国と製剤によって接種方法が異なるため、海外では医師の指示に従ってください。

十分に加熱処理された飲食物を摂取しましょう
衛生状態の悪いところでは、生水、氷、生肉、生野菜などにウイルスが付着している可能性があります。ミネラルウォーターや一度沸騰させた水、加熱調理してあるものを選びましょう。85℃で1分間以上加熱することで不活化されます。また、カットフルーツでは、洗った水が汚染されていることがあるので、食べるならば自分の手で剥く果物の方が安全です。

危険のある地域

世界中でみられますが、衛生状態が悪く飲用水の管理が悪い地域でのリスクが高くなります。

さらに詳しい情報

WHO:Fact Sheets,Hepatitis A(英文)
アメリカ疾病管理予防センター(CDC):CDC Yellow Book 2024,Hepatitis A(英文)
国立感染症研究所:A型肝炎とは

2024年3月更新