アメーバ赤痢(Amebiasis)

アメーバ赤痢(Amebiasis)とは

赤痢アメ-バによる消化管の感染症で、世界中でみられます。世界で毎年10万人程度がこの感染症のために死亡していると推定されています。渡航者によくみられる感染症ですが、国内では福祉施設での集団感染、男性同性愛者間での感染がより多く、増加傾向を示しています。感染症法では5類感染症に分類されています。

どうやってうつる

感染した人が排泄する便中の赤痢アメ-バに汚染された水や氷、野菜や果物、肉類を生で食べることによって感染します。

症状

感染して通常2~4週(幅数日~数年)で、下痢、粘血便、しぶり腹、排便時の下腹部痛や不快感などの症状を起こします。典型的な例ではイチゴゼリー状の粘血便がみられ、数日~数週間の間隔で悪くなったりよくなったりします。 赤痢アメーバは血液にのって腸以外の臓器に侵入することがあり、中でも肝臓にうみがたまることがあります。この場合、38~40℃の熱、右のわき腹の痛み、肝臓のはれ、吐き気、嘔吐、体重減少、寝汗、全身のだるさなどが起きます。

治療

アメーバ赤痢に対する治療薬を使います。症状が強いときは食事を一旦やめ、点滴する必要があります。

予防

アメーバ赤痢を防げるワクチンはありません。

食べもの・水に注意しましょう
食べ物・水にご注意を!

十分に加熱された飲食物を摂取しましょう
生水、氷、生肉、生野菜などから感染する可能性があります。十分加熱調理してあるものを食べましょう。発展途上国では、ビン入りミネラルウォーターや、一度沸騰させた水を飲みましょう。また、カットフルーツなども洗った水が汚染され、感染することがありますので、皮の傷んでいないものを自分でむいて食べるようにしましょう。

手を洗いましょう
食事の前には十分に手を洗い、アメーバ赤痢の患者の糞便からの感染を予防しましょう。

さらに詳しい情報

2024年3月更新