細菌性赤痢(Bacillary Dysentery)

細菌性赤痢(Bacillary Dysentery)とは

細菌性赤痢は世界中に広く分布する細菌感染症です。感染症法では3類感染症に分類されています。

どうやってうつる

細菌性赤痢は赤痢菌によっておこる感染症です。赤痢菌には、A群(志賀赤痢菌;Shigella dysenteriae)、B群(フレキシネル菌;S.flexneri)、C群(ボイド菌;S.boydii)、D群(ソンネ菌;S.sonnei)の4種があります。赤痢菌に汚染された水・氷・食品などを摂取することにより感染しますが、非常に少ない菌量でも感染することから、食器や箸などを介して感染することもあります。(経口感染)

症状

1~5日(通常1~3日)の潜伏期間の後、下痢、発熱、腹痛などが起こります。菌の種類によって症状の程度に差があり、最も病原性の強いA群(志賀赤痢菌)では、腸内からの出血によって血便がみられ、しぶり腹(トイレにいった後でもすっきりせず、またトイレに行きたくなる状態)があらわれることがあります。他の3種の赤痢菌では血便をみることはほとんどありません。特にD群(ソンネ菌)では症状が軽く、軟便や軽度の発熱で経過することが多いです。

治療

抗生物質などを投与し、下痢や発熱が激しければ、症状に応じた対症療法を行います。

予防

細菌性赤痢は世界中どこでもみられる感染症で、特に衛生状態の悪い国に多くみられます。旅行中は、生水、氷、生ものは避けることが、重要な予防方法となります。屋台のヨーグルト飲料や氷で感染した例も報告されていますので、不衛生な飲食店、屋台などでの飲食も避けましょう。

さらに詳しい情報

▶アメリカ疾病管理予防センター(CDC):細菌性赤痢(英文)

2024年3月更新