中東呼吸器症候群(MERS)に関する注意(2019年11月更新)
MERSが発生している中東諸国でMERS患者やラクダと接触した方は、感染の可能性があるため、健康監視を行うことがあります。
中東呼吸器症候群(MERS)は、2012年9月に初めて報告された新種のコロナウイルス(MERS-CoV)による感染症です。2019年9月までにサウジアラビアなどの中東諸国を中心に患者2468人(うち死亡851人)が報告されています。中東地域以外でも、中東諸国へ渡航居住歴があった者、もしくはMERS患者との接触者(家族、医療従事者など)からの患者発生が報告されています。観光の誘致が盛んになっており、渡航される方が増えることが予想されるなか、中東諸国に渡航される方は以下のことに十分に注意してください。また、接触したラクダがMERSに感染していない旨の検査証明書があったとしても、健康監視の対象となりえることもお知りおきください。
中東諸国への渡航前の注意と準備
●MERS患者の発生している国は、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、ヨルダン、カタール、オマーン、クウェート、イエメンなどです。これらの国に渡航する際には、現在のMERS発生状況をご確認ください。
●MERSに感染すると重症となるリスクが高いと考えられているのは、糖尿病、腎不全、慢性肺疾患、免疫不全などの持病(基礎疾患)がある方です。十分ご留意ください。
●MERSのワクチン(予防接種)はありません。発熱などの症状が出て、MERSではないかと心配にならないように、ワクチンで防ぐことのできる病気(インフルエンザ、髄膜炎菌、麻しん・風しん、A型肝炎など)の予防接種を受けておきましょう。
●MERSに感染すると重症となるリスクが高いと考えられているのは、糖尿病、腎不全、慢性肺疾患、免疫不全などの持病(基礎疾患)がある方です。十分ご留意ください。
●MERSのワクチン(予防接種)はありません。発熱などの症状が出て、MERSではないかと心配にならないように、ワクチンで防ぐことのできる病気(インフルエンザ、髄膜炎菌、麻しん・風しん、A型肝炎など)の予防接種を受けておきましょう。
中東諸国渡航中の注意
●ヒトコブラクダ(Dromedary, Arabian camel)はMERSウイルス(MERS-CoV)の宿主動物です。ラクダの唾液、糞尿、ミルクにはウイルスが含まれている可能性があります。
●ラクダに近寄った後は石けんと水でしっかり手を洗いましょう。消毒用ジェルなら、水がないところでも使えます。
●ラクダは威嚇行動として近寄った人にツバを吐きかけることがあります。ラクダに唾を吐きかけられたりすると、MERSに感染する可能性(リスク)があります。
●十分に加熱されていないラクダの肉を食べたり、殺菌されていないラクダのミルクを飲んだりすると、MERSに感染するリスクがあります。
●中東諸国で医療機関を訪れた場合(お見舞い、見学を含む)には、できるだけ詳しく情報を書き残してください。また、帰国後14日以内に国内の医療機関を訪れるときには、この情報を医療従事者に提供してください。
●海外旅行で最も多い病気は下痢症です。MERSでも咳などの呼吸器症状だけでなく、下痢などの消化器症状を起こすことがあります。また、動物はMERSに限らず様々な病気の原因となります。
●手洗いは感染予防の基本です。日頃から石けんで手を洗う習慣を身につけましょう。また、以下のことを心がけましょう。
・十分に加熱していない肉や乳、不衛生な環境で提供された食品を食べない。
・果実や野菜は食べる前に清潔な水で洗う。
・農場に安易に立ち入らない。また、家畜(牛、豚、馬、羊など)、家禽(アヒル、鶏など)には不用意に触らない。
・犬、猫(特に飼い主の定かではないもの)には近寄らない。
●ラクダに近寄った後は石けんと水でしっかり手を洗いましょう。消毒用ジェルなら、水がないところでも使えます。
●ラクダは威嚇行動として近寄った人にツバを吐きかけることがあります。ラクダに唾を吐きかけられたりすると、MERSに感染する可能性(リスク)があります。
●十分に加熱されていないラクダの肉を食べたり、殺菌されていないラクダのミルクを飲んだりすると、MERSに感染するリスクがあります。
●中東諸国で医療機関を訪れた場合(お見舞い、見学を含む)には、できるだけ詳しく情報を書き残してください。また、帰国後14日以内に国内の医療機関を訪れるときには、この情報を医療従事者に提供してください。
●海外旅行で最も多い病気は下痢症です。MERSでも咳などの呼吸器症状だけでなく、下痢などの消化器症状を起こすことがあります。また、動物はMERSに限らず様々な病気の原因となります。
●手洗いは感染予防の基本です。日頃から石けんで手を洗う習慣を身につけましょう。また、以下のことを心がけましょう。
・十分に加熱していない肉や乳、不衛生な環境で提供された食品を食べない。
・果実や野菜は食べる前に清潔な水で洗う。
・農場に安易に立ち入らない。また、家畜(牛、豚、馬、羊など)、家禽(アヒル、鶏など)には不用意に触らない。
・犬、猫(特に飼い主の定かではないもの)には近寄らない。
中東諸国から帰国(入国)後の注意とお願い
●帰国時に発熱、咳、下痢などの症状がある方は入国審査の前に検疫所にお知らせください。
●渡航先でMERS患者との接触やラクダ肉・ミルクの喫食など感染のリスクがある行動をとった方も、その旨を検疫所にお知らせください。
●検疫所から健康監視の指示を受けた方は、毎日(最長14日間)、体温等の健康状態を検疫所に報告してください。また、咳、下痢等の症状が現れた場合には、速やかにその旨を報告し、検疫所からの指示に従ってください。
●健康監視の指示を受けなかった方でも帰国後14日以内に発熱や咳などの呼吸器症状がみられた場合には、医療機関を受診する前に、最寄りの保健所にご連絡ください。
●渡航先でMERS患者との接触やラクダ肉・ミルクの喫食など感染のリスクがある行動をとった方も、その旨を検疫所にお知らせください。
●検疫所から健康監視の指示を受けた方は、毎日(最長14日間)、体温等の健康状態を検疫所に報告してください。また、咳、下痢等の症状が現れた場合には、速やかにその旨を報告し、検疫所からの指示に従ってください。
●健康監視の指示を受けなかった方でも帰国後14日以内に発熱や咳などの呼吸器症状がみられた場合には、医療機関を受診する前に、最寄りの保健所にご連絡ください。
参考
中東呼吸器症候群(MERS)のリスクアセスメント(更新8)
(国立感染症研究所 2019年10月29日)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/alphabet/mers/2186-idsc/9183-mers-riskassessment-191029.html
FORTH(厚生労働省検疫所)
中東呼吸器症候群(Middle East Respiratory Syndrome:MERS)
https://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name61.html
国立感染症研究所
中東呼吸器症候群(MERS)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/alphabet/mers/2186-idsc/2686-mers.html
厚生労働省
中東呼吸器症候群(MERS)について
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mers.html
WHO(世界保健機関)
Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV)[英語]
https://www.who.int/emergencies/mers-cov/en/
FAO(国連食糧農業機関)
MERS-CoV situation update[英語]
http://www.fao.org/ag/againfo/programmes/en/empres/mers/situation_update.html
中東呼吸器症候群(Middle East Respiratory Syndrome:MERS)
https://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name61.html
国立感染症研究所
中東呼吸器症候群(MERS)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/alphabet/mers/2186-idsc/2686-mers.html
厚生労働省
中東呼吸器症候群(MERS)について
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mers.html
WHO(世界保健機関)
Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV)[英語]
https://www.who.int/emergencies/mers-cov/en/
FAO(国連食糧農業機関)
MERS-CoV situation update[英語]
http://www.fao.org/ag/againfo/programmes/en/empres/mers/situation_update.html
2015年9月掲載 2018年12月更新、2019年11月更新
更新した部分にはアンダーラインが引いてあります。
更新した部分にはアンダーラインが引いてあります。