ガーナ共和国ー国内史上初のマールブルグ病の発生を発表

WHO Africa – Ghana News 2022年7月17日

アクラ(Accra)/ブラザビル(Brazzaville)-ガーナ共和国(以下、「ガーナ」という)は、世界保健機関(WHO)協力センターの研究所による結果を確認した後、同国で初めてのマールブルグ病の発生を発表しました。
 
セネガル共和国のダカール(Dakar)にあるパスツール研究所は、ガーナの南部アシャンテ(Ashanti)地方で下痢、発熱、吐き気、嘔吐などの症状を示し死亡した2人の患者(相互に無関係)からそれぞれ検体を受け取りました。検査結果は野口記念医学研究所の結果とも一致し、マールブルグウイルスによるものであることが確認されました。1例は26歳の男性で、2022年6月26日に病院に入院し、6月27日に死亡しました。2例目は51歳の男性で、6月28日に病院に出向き、同日に死亡しました。両症例とも数日以内に同じ病院で治療を受けました。
 
WHOは、専門家の派遣、個人防護具の提供、疾病サーベイランスの強化、検査、接触者の追跡、コミュニティとの連携による本疾病のリスクと危険性に関する警告と教育、緊急対応チームとの連携を通じて、アシャンテ地域の合同国家調査チームとガーナ保健当局を支援してきました。さらに、WHOの専門家チームが数日間に渡って派遣され、調整、リスク評価、感染予防策を提供する予定です。
 
「保健当局は迅速な対応をとり、発生に備えて先手を打ちました。即座に断固とした対応を取らなければ、マールブルグ病は簡単に手に負えなくなりますから、これは良いことです。WHOは現場で保健当局を支援しており、発生が宣言された今、対応に必要な資源をさらに集めています。」と、WHOアフリカ地域局長のMatshidiso Moeti博士は述べています。
 
医療従事者や地域住民を含む90人以上の接触者が確認され、経過観察中です。
 
マールブルグ病は、より有名なエボラウイルス病と同科のウイルス性出血熱で、感染力が非常に強い病気です。西アフリカでこの人獣共通感染症が検出されたのは、今回が2回目です。ギニアでは、最初の患者が発見されてから5週間後の2021年9月16日に終息宣言が出されたアウトブレイクで、1名の患者が確認されました。
 
アフリカではこれまで、アンゴラ共和国、コンゴ民主共和国、ケニア共和国、南アフリカ共和国、ウガンダ共和国でマールブルグ病の集団発生や散発的な感染例が報告されています。WHOは近隣の高リスク国に働きかけ、警戒態勢をとっています。
 
マールブルグ病は、オオコウモリから人に感染し、感染者の体液、物体の表面との直接接触により人の間で広まります。突然発症し、高熱、激しい頭痛、倦怠感を伴います。 多くの患者は、7日以内に重度の出血性症状を呈します。過去の流行における症例致死率は、ウイルス株や症例管理の質により、24%から88%の間で変動しています。このウイルスを治療するためのワクチンや抗ウイルス剤は承認されていませんが、支持療法(経口または静脈内輸液による水分補給)と特定の症状の治療により、生存率は向上します。血液製剤、免疫療法、薬物療法を含むさまざまな潜在的治療法、および第1相治験データを有するワクチン候補が評価されています。
 

出典

WHO Africa – Ghana News 2022年7月17日
https://www.afro.who.int/countries/ghana/news/ghana-declares-first-ever-outbreak-marburg-virus-disease-0