タンザニア-史上初のマールブルグ病の発生を確認

WHO Africa-Tanzania

2023年3月21日

ブラザビル及びダルエスサラーム タンザニアは2023年3月21日、同国北西部のカゲラ(Kagera)州で発生した感染者と死亡者の報告を受けて検査を実施し、同国史上初のマールブルグ病患者を確認しました。

タンザニアの国立公衆衛生研究所は、8人が発熱、嘔吐、出血、腎不全などの症状を呈した後、病気の原因を特定するためにサンプルを分析しました。8人のうち、医療従事者を含む5人が死亡し、残りの3人は治療を受けています。また、合計161人の接触者が確認され、健康監視されています。

タンザニアの保健当局による原因究明の努力は、このアウトブレイクに効果的に対応する決意を明確に示すものであります。世界保健機関(WHO)アフリカ地域ディレクターのMatshidiso Moeti博士は、「私たちは政府と協力して、ウイルスの拡散を食い止め、できるだけ早くアウトブレイクを終わらせるために、コントロール手段を急速に拡大させています。」と述べています。

WHOは、さらなる疫学調査を行うために、カゲラ州に緊急チームを派遣する保健省を支援しています。緊急チームは、コミュニティや地元の医療施設において、より多くの接触者を特定し、適切なケアを提供するために、積極的な症例発見に注力する予定です。

タンザニアはこれまでマールブルグ病感染者を記録したことはありませんが、過去3年間にCOVID-19、コレラ、デング熱を含む他の健康上の緊急事態に対応する必要がありました。2022年9月にWHOが実施した戦略的リスク評価では、同国は感染症アウトブレイクのリスクが高いか非常に高いことが示されました。

Matshidiso Moeti博士は、「最近の感染症発生時の教訓と進歩は、この最新の課題に立ち向かう上で、この国に有利に働くはずです。私たちは、命を救うために、国の保健当局と緊密に連携していきます。」と述べています。

マールブルグ病は強毒性で、出血熱を引き起こし、致死率は最大88%に達します。エボラ出血熱の原因となるウイルスと同じ科に属しています。マールブルグウイルスによる症状は、突然始まり、高熱、激しい頭痛、激しい倦怠感を伴います。多くの患者は7日以内に重度の出血性症状を呈します。ウイルスはオオコウモリから人に感染し、感染者の体液、表面、物との直接接触によって人から人へ拡がります。

このウイルスを治療するために承認されたワクチンや抗ウイルス治療法はありません。しかし、支持療法(経口または静脈注射による水分補給)と特定の症状に対する治療により、生存率は向上します。

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