2011年02月15日更新 インドネシア バリ州など3地域に狂犬病の非常事態宣言が発令されました。
狂犬病は主としてイヌ、ネコ、コウモリに咬まれることによってかかるウイルスによる疾患です。それ以外の哺乳動物も、このウイルスを持っている可能性があります。発病した場合ほぼ100%死にいたるため、哺乳動物に咬まれた場合には、発病しないように一刻も早く予防接種を開始しなければなりません。ヒトおよび哺乳動物の狂犬病がもっとも多い地域は、東南アジア、南アジア、アフリカですが、南アメリカを始めとした他の地域でも発生しています。
インドネシア保健省は2011年2月4日に、バリ州、北スマトラ州ニアス県、マルク州東南マルク県の3地域に狂犬病の非常事態宣言を発令したことを公表しました。 この地域では、狂犬病の発症が増加しており、2008年以降これまでに165例が確認されています。インドネシア全体では、2010年に狂犬病を感染させる動物に咬まれた数は74,858例でこのうち195例が狂犬病にかかり、全例が死亡しています。
インドネシア33州のうち24州で狂犬病が確認されています。
*狂犬病が確認されていない州
(バンカ・ブリトゥン州、西カリマンタン州、ジャカルタ特別州、中部ジャワ州、ジョグジャカルタ特別州、東部ジャワ州、西ヌサトゥンガラ州、バブア州、西バブア州、)
狂犬病が確認されていない州においても確認されている州と同等の注意が必要です。
哺乳動物が狂犬病感染原因となりますが、インドネシアでは、特に犬が98%と多く2%が猫やサルです。
インドネシアに渡航される方は、動物に咬まれないように注意をしなければなりません。また、注意をしても避けられない場合もありますので、旅行前に予防接種をすることも検討なさってください。(狂犬病の予防接種ができる機関は限られているため、受診前に必ずご確認ください。)