2011年08月04日更新 東ヨーロッパや地中海地域でウエストナイル熱の流行が始まりました。
ウエストナイル熱はウェストナイルウイルスによる感染症です。このウイルスは蚊によってうつり、感染した人の20%ぐらいに発熱、頭痛、筋肉痛などの症状を起こします。1%足らずが重症の脳炎などを起こします。50歳以上の人が重症になる可能性が高いとされています。有効なワクチンはなく、流行地域では蚊に刺されないことが非常に重要です。
このウイルスは世界の広い範囲で発生がみられますが、東ヨーロッパや地中海地域でも、夏季に流行がみられるようになっています。
7月以降、ルーマニア、ギリシャの中央マケドニア地域、テッサリア地域、アッティカ地域、ロシア、イスラエルでウエストナイル熱の発生が報告され、この地域がウェストナイルウイルスの感染シーズンに入ったと考えられています。
地図:ヒトの症例が報告された地域-ギリシャ(2011年8月3日)
蚊はウェストナイルウイルス以外にも多くの病気を人にうつします。ヨーロッパ地域の旅行に際しても、上記の地域をふくめ、蚊に刺されないように十分にご注意ください。
蚊に刺されないための対策
・可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているかエアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。
・長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
・流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書にかかれた使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。
・子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。