2011年09月29日更新 アメリカでリステリア症による死亡例が報告されています。
リステリア症はリステリア菌で汚染された食物を食べることにより起こる感染症です。
リステリア菌は自然界に広く分布しており、低温や食塩濃度の高い環境でも発育できます。感染しても、健康な成人では無症状のまま経過することが多いのですが、乳幼児,高齢者など免疫力の弱い人や妊婦などでは発症することがあります。
感染してから発症するまでの期間は24時間未満から1か月以上と幅広く、38~39度の発熱、頭痛、おう吐などの症状があり、重症になると意識障害やけいれんなどをおこすこともあります。
アメリカのCDCによると2011年9月26日、アメリカの18州から合計72人がリステリア菌に感染したと報告がありました。症状はすべて7月31日以降に発症しており、このうち13人が死亡しました。
各機関の調査からコロラド州グラナダのジェンセン(Jensen)農場で生産されたマスクメロンが原因であるとしています。現地の報道を通じて9月14日には回収の呼びかけが行われています。
特に高齢者、免疫力の低下している人、妊婦などのリステリア症に対するハイリスク者は、この農場で生産されたマスクメロン(Rocky Ford cantaloupes)を食べないように勧告しています。(また他の消費者も食べないようにしてください)
リステリア菌は室温、冷蔵庫内でも増殖しますので、もしお手元に該当のマスクメロンがある場合は、食べずに速やかに破棄してください。この農場で出荷された以外のマスクメロンは安全であるとしていますが、生産元が不明の場合は破棄してください。
リステリア菌はマスクメロン以外にも起こりえますので、次のことに気をつけましょう。
- 果物や野菜など生の食材は,食べる前にきれいに水道水で洗い、きれいな布やペーパータオルで拭き取ってからカットしましょう。
- 生の肉は完全に調理しましょう(火をしっかり通すこと)。
- 食べる時にはあつい状態で出されたものを食べましょう。
- 未殺菌の乳製品は避けましょう。