2011年12月26日更新 ハイチとドミニカ共和国でのコレラの流行状況について
コレラは下痢や嘔吐が生じるコレラ菌による病気です。重い下痢が起こることがあり、大量の水分が失われ、脱水から死亡する例もあります。
ハイチでは、2010年1月にマグニチュード7.0の大地震、同年10月には大規模洪水に伴うコレラの大流行が発生しました。ハイチ保健省の発表によると、2011年11月24日までに、513,997名のコレラの症例が発生しています。うち277,451名(54.0%)が入院治療を受け、6,908名(1.3%)が死亡しました。国内のすべての県で、コレラ患者と死者の報告がなされています。2011年10月末には毎日670名以上の患者が発生していたのが、雨季の終わりとともに症例の発生は減少しています。しかし、11月に入っても毎日500名の患者が発生しています。
また、隣国のドミニカ共和国では、新たなコレラの流行が発生しています。2011年12月7日に、国内中央部のモンセニョール・ノウエル県で、コレラ様症状のある13名の患者が県内のボナオ市(Bonao municipality)で発生し、市内の病院に入院しました。県保健当局によれば、その後220名ほどが入院し、1名が死亡したとのことです。症例が発生した複数のコミュニティーでは全て同じ水源から水を得ており、この水供給の汚染が、今回の流行の主要因と考えられています。12月14日以降、疑い症例数は減少し、現在13名が入院しています。
現地に向かう方は、今後の情報に注意していただくとともに、以下の対策をとってください。
- 飲料水や歯みがき、うがいの水にはミネラルウォーターを使うか、十分に沸騰させた水を使うこと。氷は食べないこと。
- 食事は加熱され、あつい状態のものだけを食べること。
- 食事の前、トイレの後には石けんと水で十分に手洗いすること。
- 下痢になった場合、できるだけ早く医療機関で診療を受けること。
- 下痢がはじまったら、以下の作り方で作った水を十分にとること。
感染症情報:食べ物・水にご注意を!
参考
国際赤十字赤新月社連盟
http://reliefweb.int/sites/reliefweb.int/files/resources/Full_Report_3177.pdf[PDF形式:431KB]