2012年02月15日更新 オーストラリア北部で類鼻疽のリスクについて

類鼻疽(るいびそ)は、類鼻疽菌という細菌が皮膚から侵入したり、呼吸する時に類鼻疽菌の混じった粉塵や水しぶきを吸引した場合に感染します。類鼻疽を発病した人の血液や体液が口などから入った場合にもうつります。

オーストラリア北部と東南アジア、南アジアで発生が多く見られます。アフリカ、中南米でも発生が見られます。

症状のない期間は、通常は数時間~21日間ですが、突然発症したり数年たってから発症したりと幅があります。発熱を主とする様々な症状が現れ、重症になると死亡することもあります(適切な医療をうけても10~15%が死亡します)。免疫能が低下していたり、腎臓や肺の病気や糖尿病を患っている場合には重症になる可能性が高くなります。

オーストラリアノーザンテリトリー保健省の情報によりますと、今シーズン類鼻疽に感染した患者が54人で3人が死亡しており、雨季に報告されるこれまでの報告数を上回っており、住民に対し注意喚起を呼びかけています。
類鼻疽のリスクは雨季の始まりから大地が乾くまで続き、この数ヶ月は感染から身を守るよう注意する必要があります。

旅行者へのアドバイス

ほとんどの旅行者にとって類鼻疽のリスクはまれですが、類鼻疽を防ぐためのワクチンや薬剤はありません。手や足を防護せずに洪水の後始末をしたり、泥水の中を歩行したり、水や泥でぬれた物品を扱ったり、土を扱う仕事をしたり、庭いじりをしたりすると、細菌に暴露されるリスクが高くなる可能性があります。

アウトブレイクを起こしている地域へ、旅行する場合には以下のことに注意してください。

  • 野外では足を防護できる靴を履いてください。
  • 土や泥水を扱うときには、手袋やマスクを着用してください。
  • 土や泥水に触れた後や、野外で作業した後には、徹底的に(可能であればシャワーを使って)洗ってください
  • 流行地域でケガややけどをし、傷が土壌や天然の水で汚染された場合には、直ちに傷を完全に洗浄してください。すり傷があれば、防水性のもので覆ってください。
  • 糖尿病、内臓の病気や免疫能に問題のある人は、流行地域で水や土壌にさわらないようにしましょう。

感染症情報類鼻疽(るいびそ)

参考

オーストラリアノーザンテリトリー州保健省
http://www.health.nt.gov.au/Agency/News_Archive/Record_melioidosis_cases_prompt
_warning/indexdl_4486.aspx