2012年10月15日更新 モーリタニアでリフトバレー熱が発生しています

リフトバレー熱は、主に、牛や羊などの家畜が感染する病気ですが、ウイルスを持った蚊に刺されることによって人も感染します。また、感染した動物の血液、体液や臓器を触ることによってもうつります。通常は重症化することはありませんが、まれに重症化し、重症化した人の約半数が死亡します。主にアフリカのサハラ以南で流行していますが、エジプト、マダガスカル、モーリタニアでも散発的に発生しています。

WHOアフリカ地域事務所の発表によりますと、モーリタニア保健省は10月4日、リフトバレー熱の患者が発生したことを明らかにしました。最初の患者発生は2012年9月16日です。10月7日までにモーリタニアの8地区から合計8人の患者(疑い患者4人と確定患者4人)が保健省から報告されています。死亡者は4人です。4人の患者のうち2人はアイオン(Aioun)中央病院に入院中で、2人は回復しています。

リフトバレー熱の発生に対応して、保健省と地方開発省は共同で調査を行っています。動物又は人の保健専門家・担当部署からなる特別チームが再結成され全ての対応の調整を行っています。WHOと他のパートナーも特別チームのメンバーとなっています。特別チームは10月3日に3回目の会議を開催しました。

多部署からなる調査チームが結成され、疑い症例の報告された地域で人と動物の発生の詳細にわたる調査が行われています。家畜のと殺場は獣医チームによって監視されています。リフトバレー熱のサーベイランスと管理ガイドラインが発生地域全てに配布され患者発見と対応が強化されています。

流行地では、動物との接触を避けましょう。また、蚊に刺されることで感染することがありますので、蚊に刺されないようにしましょう。

蚊に刺されないための対策

  • 可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。
  • 長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
  • 流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書に記載されている使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。
  • 子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。

心配な場合には早めの受診を

海外で熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。

また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が良くならない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご連絡ください。

医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

出典

WHOアフリカ地域事務所:Mauritania:suspected Rift Valley Fever(Situation as of07 October 2012)
http://www.afro.who.int/en/clusters-a-programmes/dpc/epidemic-a-pandemic-alert-and-response/outbreak-news/3705-mauritania-suspected-rift-valley-fever-situation-as-of-07-october-2012.html