2013年02月18日更新 カンボジア、エジプト、中国で鳥インフルエンザの患者が発生しました

2003年から2013年2月15日までに、鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスに感染したと確定診断された患者は、15か国から620人が世界保健機関(WHO)へ公式に報告されています。このうち367人が死亡しています。1月16日以降、10人が報告されています。

1月16日以降、カンボジアで6人の死亡を含む鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスに感染した患者7人が報告されました。患者はカンボジア南部に位置する4州で発生しました。これらの患者に疫学的な関連はないようです。また、ほとんどの患者が村で病気の家きんとの接触がありました。調査が強化されていますが、患者に関連した新たな症例は発見されていません。現時点では、人から人への感染を示す根拠はありません。カンボジアでは家きんの間でA(H5N1)ウイルスが常在しており、旧正月で人や家きんの移動が多くなったことが示唆されています。そのため、今後も散発的な患者が発生するかもしれません。

エジプトでは、ブハイラ県で新たな鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスに感染した患者1人が報告されました。エジプトでも家きんのA(H5N1)ウイルスが常在している地域があるため、さらに散発的な患者が発生する可能性があります。

中国では、2月10日に新たな鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスに感染した患者2人が報告されました。患者は2人とも重篤な状態が続いています。患者は同じ省から発生しましたが、疫学的な関連はないようです。2人とも病気の家きんや死んだ家きんとの接触はないと報告されています。接触者の追跡調査や経過観察が続けられていますが、新たな患者は確認されていません。中国本土で家きんのA(H5N1)の公式報告は、2012年9月の広東省からの報告が最後でした。

家きんの間でインフルエンザウイルスが循環している時は、特に家屋で飼育している家きんが感染し、その家きんに暴露する人々の中で散発例や小規模の集団発生が起こる可能性があります。しかし現在のところ、このH5N1ウイルスは人の間で効率よく感染せず、このウイルスが地域レベルで拡大するレベルは低いままです。

現地に滞在する方は、鳥がたくさんいる場所で鳥に直接触ったり、病気の鳥や死んだ鳥に近寄ったりしないようにしましょう。

出典

WHO Influenza at the human-animal interface
http://www.who.int/influenza/human_animal_interface/Influenza_Summary_IRA_HA_interface _15Feb13.pdf