2013年03月15日更新 カンボジアで鳥インフルエンザの患者が発生しました

2003年から2013年3月12日までに、鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスに感染したと確定診断された患者は、15か国から622人が世界保健機関(WHO)へ公式に報告されています。このうち371人が死亡しています。2月15日以降、カンボジアから2人の患者が報告されており、いずれも死亡しています。前回中国で報告された患者は2人とも死亡しました。

カンボジアでは今年、鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスに感染した患者9人が報告され、そのうち8人が死亡しています。患者はカンボジア南部に位置する5州で発生しました。これらの患者に疫学的な関連はないようです。また、ほとんどの患者が村で病気になった家きんとの接触がありました。患者から分離されたウイルスはクレード1.1ウイルスで、この地域の家きんから分離されたウイルスにとてもよく似ていました。患者の周囲の調査が行われていますが、新たな患者は発見されていません。このことは、人から人への感染よりも、感染した家きんからの暴露や汚染された環境からの散発的な感染であることを示しています。カンボジアでは家きんの間でA(H5N1)ウイルスが常在しており、今後も散発的な患者が発生するかもしれません。

家きんの間でインフルエンザウイルスが循環している時は、特に家屋で飼育している家きんが感染し、その家きんに暴露する人々の中で散発例や小規模の集団発生が起こる可能性があります。しかし現在のところ、このH5N1ウイルスは人の間で効率よく感染せず、このウイルスが地域レベルで拡大するレベルは依然として低いです。

現地に滞在する方は、鳥がたくさんいる場所で鳥に直接触ったり、病気の鳥や死んだ鳥に近寄ったりしないようにしましょう。

出典

WHOInfluenza at the human-animal interface
http://www.who.int/influenza/human_animal_interface/Influenza_Summary_IRA_HA_interface
_12Mar13.pdf[PDF形式:368KB]