2013年04月15日更新 中国でインフルエンザA(H7N9)の患者が発生しました (更新9)

4月12日付けで公表された世界保健機関(WHO)の情報によりますと、中国の国家衛生・計画出産委員会は同日、インフルエンザA(H7N9)に感染した患者が新たに5人発生したとWHOに報告しました。新たに報告された患者のうち3人は浙江省で発生し、2人は上海市で発生しました。
浙江省で発生した患者は、4月8日に発症した66歳の男性、4月6日に発症した74歳の男性、4月6日に発症した54歳の女性です。上海市で発生した患者は、4月3日に発症した53歳の男性と、4月3日に発症した86歳の男性です。

また、以前に上海市で報告された患者1人が死亡しました。これまでに、中国でインフルエンザA(H7N9)に感染したと確定された患者は43人で、このうち11人が死亡しています。確定患者の濃厚接触者として1,000人以上が経過観察されています。

中国政府はこの事例について積極的に調査を行っており、サーベイランスを強化しています。最近の重症呼吸器感染症にかかった患者の遡及検査によって、過去に判明していなかった患者が新たに判明するかもしれません。政府内の対策本部が設立され、国家衛生・計画出産委員会は農業省など関係する省と調整を行っています。動物保健を担当する部署では、感染源やウイルスの保有宿主に関する調査を強化しています。

WHOは国の当局と連携し、この事例を注視しています。WHOが調整している国際的な対応は、WHOの共同センターや関係機関と連携して、情報収集、診断と治療のための資料の作成、ワクチン開発に焦点が当てられています。現時点では、このインフルエンザウイルスの亜型に有効なワクチンはありません。中国のWHO共同センターによる暫定的な検査結果によれば、このウイルスはノイラミニダーゼ阻害薬(オセルタミビルとザナミビル)に感受性があると示唆されています。
現時点では、人から人に感染が続いているという根拠はありません。

WHOは、この事例に関して入国時の特別なスクリーニングおよび渡航や貿易を制限することを推奨していません。

中国に滞在する方は、今後の情報に注意していただくとともに、手洗いや咳エチケットをこころがけてください。また、鳥に直接触ったり、病気の鳥や死んだ鳥に近寄ったりしないようにしましょう。

出典

WHOGlobal Alert and Response
Human infection with influenza A(H7N9)virus in China– update
http://www.who.int/csr/don/2013_04_12/en/index.html

参考

FORTH新着情報
中国でインフルエンザA(H7N9)の患者が発生しました (更新8) (2013年4月12日)
https://www.forth.go.jp/topics/2013/04121352.html

厚生労働省
鳥インフルエンザA(H7N9)について
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/h7n9.html

内閣官房
中国における鳥インフルエンザ(H7N9)感染の対応について
http://www.cas.go.jp/jp/influenza/tori_inf/index.html

外務省海外安全ホームページ
中国における「H7N9型」鳥インフルエンザのヒト感染症例発生 (その10) (2013年4月14日)
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo.asp?infocode=2013C131

国立感染症研究所
インフルエンザA(H7N9)~新着情報~
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/a/flua-h7n9/3395-n7n9top.html