2013年05月10日更新 ナイジェリアでラッサ熱が流行しています (更新1)

ラッサ熱は、ラッサウイルスにより起こるウイルス性の出血性疾患です。ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネなどの地域で発生しています。ラッサ熱の大部分は、農村地域の家屋周辺に生息するネズミの尿や糞から皮膚の傷や粘膜面を介して、または、ほこりに混じったウイルスを吸入して人に感染します。体液を介して人から人へ感染することもあります。突然の発熱・頭痛・咽頭痛が主な症状です。重症化すると、吐血や下血などの出血症状が出現し、高率で死亡します。予防するためのワクチンはありません。

5月3日付けで公表されたナイジェリア連邦保健省の報告によりますと、ラッサ熱の患者が今年の第1週から第17週までに11州で、疑い患者を含め670人が報告されており、このうち135人が確定診断され、26人が死亡しました。昨年の同時期までの累計患者数(疑い患者を含めた患者数は866人、このうち確定患者は140人、死亡者は92人)を下回っていますが、第17週だけで34人の疑い患者(死亡者はなし)が報告されています(昨年の第17週は患者5人、死亡者は3人)。

ナイジェリアでは、国内のラッサ熱に対する迅速対応チームが患者発生地域を調査し、対応しました。

この地域へ行かれる方は十分注意してください

  • 旅行者がラッサ熱に感染するリスクは非常に低いですが、げっ歯類との接触が頻繁にみられる可能性がある人、田舎で余暇を過ごす人、職業的な活動をする人などは注意が必要です。
  • げっ歯類は尿や便中にウイルスを排泄しますので、地域感染症としてラッサ熱のある国への旅行者は、げっ歯類に触ったり、近づいたりしないようにしましょう。

また、現地を訪れた方で、発熱や頭痛・咽頭痛などの症状が現れた場合には、速やかに現地の医療機関を受診してください。

また、滞在後およそ3週間以内に同様の症状が現れた場合には、最寄りの検疫所(健康相談室)にご相談下さい。

FORTH感染症情報

ラッサ熱

国立感染症研究所感染症情報センター

ラッサ熱

出典

Federal Ministry of HealthWeekly Epidemiology ReportVolume 3 No. 17
http://www.fmh.gov.ng/images/OtherWeeklyDoc/WeeklyEpidemiologyReport_Week_8513.pdf[PDF形式:744KB]