2013年09月24日更新 オーストラリアでロスリバー熱が発生しています

ロスリバー熱は、ロスリバーウイルスを保有する蚊に刺されることで感染します。主に大洋州を中心としたオセアニアで発生しています。関節痛、発熱、筋肉痛などの症状が起こります。関節痛は3か月から6か月以上と長期にわたって続き、6か月以降にわたる場合もあります。

今年5月にオーストラリアから帰国した方で、ロスリバー熱と診断された患者が報告されました。この患者は、今年1月から5月までオーストラリアに滞在し、3月に発症しましたが、ロスリバー熱と診断されたのは5月に入ってからです。帰国時に検疫所で健康相談を受け、医療機関を紹介され、ロスリバー熱と診断されました。

ロスリバー熱の輸入例としては初めての報告ですが、オーストラリアなどでは、毎年多くの患者が発生しています。現地に滞在される方は蚊に刺されないように十分に注意してください。

蚊に刺されないための対策

  • 可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。
  • 長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
  • 流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場 合には、必ず添付文書に記載されている使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に 日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。
  • 子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使 用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。

心配な場合には早めの受診を

  • 海外で熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。
  • また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が良くならない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご連絡ください。
  • 医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

出典

国立感染症研究所病原微生物検出情報(IASR)

速報関西空港検疫所で経験したロスリバー熱の相談事例 (2013年9月17日掲載)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/route/arthlopod/1771-idsc/iasr-news/3954-pr4047.html

速報本邦初報告となるロスリバーウイルス感染症の輸入症例 (2013年9月20日掲載)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/route/arthlopod/1771-idsc/iasr-news/3971-pr404a.html