2014年05月30日更新 米国でのMERSコロナウイルス接触者感染は陰性と判明しました

5月28日付けのアメリカ疾病対策センター(CDC)から公表された情報によりますと、5月17日にCDCの発表したMERS-CoV感染患者から接触感染したとされるイリノイ州の男性は新たな検査で、MERS-CoV感染は陰性であったことが明らかとなりました。

CDCのプレスリリースからの抜粋です。

CDC、州、郡の公衆衛生担当者は、サウジアラビアから米国へ渡航しMERS陽性となった2人の旅行者と接触した住民の検査をボランティアで実施しています。CDCの行う検査の一つは、感染性のあるウイルスについて呼吸器検体を使用してPCRで検査する方法です。別の検査は血清を使いMERS-CoVに対する抗体を検査する血清検査です。CDCでは3つの独立した血清検査を実施します。ELISA(酵素結合型免疫吸着法)、IFA(蛍光抗体法)と3つめが厳密な検査で中和抗体測定法とよばれるもので、他の2方法より時間がかかります。

イリノイ州住民は仕事の関係でインディアナ州のMERS患者と対面接触があり、接触後のPCR検査ではMERS-CoV感染は陰性でした。CDCはこの男性がMERS-CoVの抗体を持っているかどうかの血清検査を実施しました。5月17日のELISAとIFAの検査でMERS-CoV抗体が陽性にでました。さらに、結果が判明するまでに5日間かかる中和抗体測定法も実施しました。すべての結果を検討し、注意深い解釈が必要でしたがCDCは、このイリノイ州の住民はこれまでにMERS-CoVに感染していなかったと結論づけました。

これまでに米国内で確認されたMERS-CoV患者に接触のあったヒトの中でMERS-CoVに感染している人はいませんが、調査は継続されています。

現時点で、CDCの一般公衆、渡航者、医療サービス提供者へ対する推奨に変更はありません。

出典

CDC プレスリリース
CDC concludes Indiana MERS patient did not spread virus to Illinois business associate
http://www.cdc.gov/media/releases/2014/p0528-mers.html

参考

インディアナ州MERS患者との接触者(イリノイ州)でMERSコロナウイルス試験が陽性となりました(2014年5月20日)
https://www.forth.go.jp/topics/2014/05201323.html