2014年07月01日更新 ヨーロッパにおける麻しんの流行状況について

麻しん(はしか)は、麻しんウイルスによって起こる病気です。空気感染、飛沫感染、接触感染によって、人から人にうつります。その感染力はウイルスの中で最も強く、麻しんを発症している人と同じ部屋にいるだけで(空気)感染することがあります。また、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、肺炎や脳炎などの重い合併症を起こすこともあります。

欧州疾病対策センター(ECDC)から公表された情報によりますと、欧州において、今年4月に発生した麻しん患者数は182人でした。報告数が多かった上位3か国は、ドイツ、チェコ共和国、ラトビアでした。これらの国における確定患者数は、ドイツが44人、チェコ共和国35人、ラトビア25人でした。

2013年5月から2014年4月までの1年間の累積確定患者数ではオランダが2,747人、イタリア2,324人、ドイツ1,703人でした。人口100万人あたりの患者発生率(年間での予想)が高いのは、オランダ164.2人、イタリアで38.2人、ドイツで20.9人、ルーマニアで20.3人でした。

麻しんは予防接種で予防することができる病気ですが、予防効果を確実にするためには、2回の接種が必要です。現在、1歳と小学校入学前1年間の子どもに対して、計2回の定期の予防接種が行われています。海外の麻しんの流行がみられる地域へ渡航する前には、母子健康手帳などで、予防接種歴を確認してください。麻しんにかかったことがない方で、麻しんの予防接種を受けたことがない方や1回しか接種していない方、または予防接種を受けたかどうかがわからない方は、渡航する前に、早めに医師に相談してください。

◆感染症別情報:麻しん

出典

ECDC Latest surveillance data,16 June 2014
Number of measles cases by month and notification rate(cases per million)by country,May2013-April 2014,EU/EEA countries
http://www.ecdc.europa.eu/en/healthtopics/measles/epidemiological_data/Pages/measles_past12months.aspx

参考

FORTH最新ニュース
麻しんについて(ファクトシート)(2014年2月13日)
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2014/02131151.html

厚生労働省
麻しん(はしか)に関するQ&A
https://www.mhlw.go.jp/qa/kenkou/hashika/index.html

国立感染症研究所
感染症情報麻疹
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/ma/measles.html