2014年08月19日更新 飛行機による旅行でエボラ感染を起こすリスクは低い

8月14日、世界保健機関(WHO)は西アフリカにおけるエボラ出血熱の発生について、飛行機による旅行中にエボラウイルス疾患に感染する危険は依然として低い、とする立場を繰り返しました。内容は以下のとおりです。

WHO Global Capacity Alert and Responseのディレクターであるイサベル・ナトール医師は、「インフルエンザあるいは結核のような感染症と異なり、エボラは空気を介して感染しません。エボラはその病気に罹患した人の体液との直接接触によってのみ感染する可能性があります。」と言明しています。

飛行機にエボラに罹患した患者がいる僅かな可能性がある場合も、他の乗客および乗組員が患者の体液と接触を持つ可能性はさらに小さいと考えられます。通常、誰かがエボラに罹患している場合、非常に体の具合が悪いので、旅行することはできません。したがって、WHOは感染の影響を受けた国々への、あるいは国々からの渡航禁止令を出さないように勧告します。

「飛行機上でエボラに感染するリスクは非常に低いので、WHOは飛行機による輸送でハブとなる地点で、エボラがさらに拡散する危険が高いとは考えていません。」とナトール博士は言明しています。

8月前半に、国際保健規則の下にエボラ緊急委員会の会合が持たれた後、現在のエボラ流行を封じ込め、エボラ流行がさらに広がるのを防ぐ支援をするため、WHOは各国に勧告を行いました。そのガイダンスの中で、以下のことが勧奨されました。

●海外旅行または貿易の禁止はしない。
●各国がエボラの症例を検出し、調査し、かつ管理できるように準備すること。これには、エボラウイルス検査に適格とされた診断研究所へのアクセスを確保することや、既知のエボラ感染地域から来た、説明のできない発熱やその他の症状をきたした旅行者が、国際空港あるいは主な国境地点に到着した際に、適切な場所で、そのような旅行者を検出し、治療ができる体制を築くことなどがある。

全世界で各国は、エボラ感染の影響を受けた国々へ旅行する各国の市民に対して、エボラ流行と接触のリスクを減らすためにとるべき手段に関して、正確で適切な情報提供をしなければなりません。

出典

WHO:Air travel is low-risk for Ebola transmission, 14 August 2014
http://www.who.int/mediacentre/news/notes/2014/ebola-travel/en/