2014年11月20日更新 鳥インフルエンザA(H7N9)の発生状況について (更新50)

11月15日付けで公表された世界保健機関(WHO)の情報によりますと、中国の国家衛生・計画出産委員会(NHFPC)は、1人の死亡者を含む新たな3人の患者が鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスに感染していたことを検査で確認したとWHOに報告しました。

患者の詳細は以下のとおりです。

・54歳女性、新疆(しんきょう)ウイグル自治区に在住。この患者は2014年10月19日に発症し、11月1日に死亡しました。この患者の生きた家禽との接触歴は不明です。
・58歳女性、江蘇省常州市に在住。この患者は2014年10月24日に発症しました。患者は10月28日に入院し、現在の容態は重症です。この患者には生きた家禽との接触歴がありました。
・45歳女性、江蘇省常州市に在住。この患者は2014年11月3日に発症しました。患者は11月5日に入院し、現在の容態は軽症です。この患者には生きた家禽との接触歴がありました。

中国政府は、以下のようなサーベイランスと対策をとっています。

1. サーベイランス及び状況分析の強化
2. 患者管理と治療の強化
3. 市民とのリスクコミュニケーションと情報の提供

WHOは鳥インフルエンザA(H7N9)の発生状況の厳重な監視を続けており、リスク評価を行っています。これまでのところ、全体的なリスク評価は変わっていません。

WHOからのアドバイス
WHOは、鳥インフルエンザの発生が確認されている国への渡航者に対し、養鶏場への立ち入り、生きた家禽類をさばく市場での動物との接触、家禽を解体する場所への立ち入り、家禽や動物の排泄物で汚染されているとみられるあらゆる物体との接触を避けるよう助言しています。また、渡航者は石鹸と水で手をよく洗い、食品の安全とその衛生習慣を維持すべきです。

WHOは、この事象に関連して、特別な入国スクリーニングおよび渡航や貿易の制限を行うことを推奨していません。鳥インフルエンザが懸念される地域を渡航している間や帰国した直後に、渡航者が重症の急性呼吸器症状を発症した場合には、常に鳥インフルエンザへの感染を鑑別診断として考えておくべきです。

WHOは、国際保健規則(2005)に基づき、重症急性呼吸器感染症(SARI)のサーベイランスを含むインフルエンザのサーベイランスの強化を継続し、慎重に通常と異なる傾向がみられた症例については検討を重ねることを各国に促しています。さらに、国民医療の事前計画の活動を続けていくことを求めています。

中国に滞在される方は、今後も情報に注意していただくとともに、手洗いや咳エチケットをこころがけてください。また、鳥に直接触ったり、病気の鳥や死んだ鳥に近寄ったりしないようにしてください。入国の際に、発熱、咳、喉の痛みなどの症状がある場合には検疫所にご相談ください。

出典

WHO Global Alert and Response(GAR)
Human infection with avian influenza A(H7N9)Virus-China,18November2014
http://www.who.int/csr/don/18-november-2014-avian-influenza/en/