2015年01月05日更新 エボラウイルス病 - イギリス
12月29日付けの世界保健機関(WHO)から公表された情報によりますと、イギリスの国際保健規約担当者はエボラウイルス病患者が検査で確認されたことを報告しました。これはイギリス本土で確認された初めてのエボラウイルス病患者です。
患者の詳細情報
患者は女性の医療従事者で、シエラレオネのエボラ治療センターでボランティア活動に参加した後に帰国してきました。フリータウンからモロッコのカサブランカ経由でロンドンに飛び、12月28日にグラスゴーに到着しています。旅行中は、患者はエボラウイルス病の症状は現れていませんでした。しかし、ロンドンに到着したときには既に発熱があったと考えられています。
発熱と筋肉痛によって体調を崩した後、患者は29日の朝にはグラスゴーのGartnavel(ガートナベル)総合病院敷地内にある感染症の専門家Brownleeの病棟に入院し、厳重に隔離されました。翌30日には、治療のためにロンドンのRoyal Free Hospital(ザ・ロイヤル・フリー・ハムステッド病院)の隔離病棟に搬送されました。現在、容態は安定していますが、現在も隔離病棟にとどまっています。
公衆衛生の対応
イギリスの規制当局によって幅広い公衆衛生対策が始められています。その対策はヒースローからスコットランドに飛んだ飛行機の全乗客をも対象としています。
WHOは緊密にイギリス規制当局と連絡をとり、モロッコを含む関係各国と情報を共有する役割を担っています。WHOは必要に応じてさらなる支援の準備をしています。
以後、イギリスにおけるエボラウイルス病についてはWHOが発信する緊急ニュース(the Disease Outbreak News)での更新情報は掲載しません。今後の情報はエボラの状況報告(Situation Reports)において発信します。ここでは定期的に情報の更新を行っています。
WHOは、エボラウイルス病の確定例もしくは疑われる症例、あるいは、エボラウイルス病患者と接触した者を除いて、国による旅行や貿易のいかなる制限措置も推奨していません。接触者には、適切に保護された医療従事者や検査室のスタッフは含まれません。
国が取るべき措置についても緊急委員会からの緊急的な推奨事項が示されています。
IHR Emergency Committee on Ebola outbreak in West Africa
出典
WHO.Global Alert and Response(GAR),
Disease outbreak news:Ebola virus disease- United Kingdom.
30December2014
http://www.who.int/csr/don/30-december-2014-ebola/en/