2015年03月16日更新 髄膜炎の発生-ナイジェリア

髄膜炎菌性髄膜炎は、髄膜炎菌に感染することによってかかる病気です。髄膜炎菌は髄膜炎の流行を起こす唯一の細菌で、化膿性髄膜炎を起こします。人から人へ直接感染します。髄膜炎菌性髄膜炎は、季節によって小規模な集団発生を起こし、温帯地域では、冬から春にかけて、患者数が増加します。

2015年3月13日に公表されたWHOの情報によりますと、ナイジェリア保健省のナイジェリア疾病対策センター(NCDC)から2015年1月26日から3月5日にかけて髄膜炎菌感染症疑いの患者652人が発生し、そのうち50人が死亡したとの報告がありました。患者はKebbi(ケッビ)州とSokoto(ソコト)州の10か所の地方行政地区から報告されています。検査では、流行地域で髄膜炎菌C型が検出されており、他の型は確認されていません。

Zamfara(ザムファラ)州では、最近、髄膜炎菌感染症の疑い患者が発生しました。しかし、まだ流行は確認されていません。

公衆衛生における対応

国家対策本部が流行に対処するために設置されました。WHOと国境なき医師団やユニセフなどの支援団体は、細かく状況を監視し、ナイジェリア政府が大規模なワクチン接種活動やその他の緊急感染管理対策を実施することを支援しています。流行性髄膜炎に対処するためにワクチン供給国際調整グループ(ICG)は、GAVIアライアンス(ワクチンと予防接種のための世界同盟)の支援とともに、204,850本のワクチンを出荷しました。同様に、流行発生に対処するために5,000バイアルの抗生物質も出荷しました。患者管理と社会的活動の動員も継続中です。

背景

脳脊髄髄膜炎は、いくつかの微生物の感染が原因で起こる細菌性の病気です。これらのうち、髄膜炎菌は、細菌性髄膜炎の最も多い原因菌です。この病気は、多くのアフリカ諸国で季節性に流行し、高い伝染性をもっています。最も流行していた髄膜炎菌A型に対しては、髄膜炎菌A型ワクチン(MenAfrivac)が生産され導入されて以降、病気の発生が大幅に減少しました。2011年から2014年までに、ナイジェリア政府はケッビ州を含めてリスクのあるすべての州でA型ワクチンに対する大規模な予防接種キャンペーンを実施しました。現在の髄膜炎菌C型の流行が示しているように、今でもその他の髄膜炎菌のリスクが続いています。この病気は抗生物質で治療し、ワクチンで予防することができます。

WHOの推奨

WHOは、この流行に関して現在入手できる情報からはナイジェリアへの如何なる渡航と物流の制限も推奨していません。

◆感染症情報:髄膜炎菌性髄膜炎

出典

WHO.Global Alert and Response(GAR). 13 March 2015.
Meningococcal disease– Nigeria
http://www.who.int/csr/don/13-march-2015-nigeria/en/