2015年08月03日更新 太平洋地域での症状・疾患サーベイランス報告 (更新6)

2015年の第26週から第29週に報告されたWHO西太平洋地域事務局(WPRO)のサーベイランス情報をまとめて掲載いたします。

註1:発生時期に時間差がありますので、詳細は原文でお確かめください。
註2:[ ]の数字は報告週です。

太平洋地域での症状・疾患サーベイランス報告システム(PSSS)では、伝染性感染症の発生を示唆する情報の報告をしています。データは、急性発熱と発疹、下痢、インフルエンザ様疾患、遷延性の発熱の4つの症状群について、太平洋地域の23か国200以上の医療施設から収集されています。PSSSは、伝染性感染症に対する極めて貴重な早期警報ツールとしての、また、太平洋諸島の地域と国々、WHO、太平洋共同体のようなその他の国際機関との間で定期的に連絡をとる機構制度としての役目を果たしています。

  • 急性発熱と発疹: [26]パラオ
  • 下痢: [26,29]ミクロネシア連邦、[27]フランス領ポリネシア、[27]グアム、[29]ツバル
  • インフルエンザ様疾患: [26,27,29]キリバス 、 [27,29]ニュージーランド、[28]パプア・ニューギニア、[28] トンガ 、[28]バヌアツ
  • 遷延性発熱: [26]キリバス 、[27]ナウル、[29]ツバル

疾患別の発生状況

●チクングニア熱
・[26,27,28]チクングニア熱の流行が、クック諸島、マーシャル諸島で続いています。

・[クック諸島]:[29] 2014年10月から合計770人の患者が報告されています。2015年7月19日の週に患者5人、7月12日の週に11人、7月5日の週に13人、6月21日の週に15人が報告されました。[29]毎週の患者報告数はかなり減ってきました。

・[マーシャル諸島]:[29]2015年2月初めより、7月23日までに1,201人が報告されました。

・[フィジー]:[28]5人の患者が報告されました。3人は感染輸入例、2人は国内発生例でした。

●デング熱
・[26-29] アメリカ領サモア(デング熱3型)、フィジーのMacuata(マクアタ)の一部(デング熱2型)で流行が発生しています。

・[サモア]:[26,27]NS1陽性例が報告されました。[28,29]以来、サモアでは流行(デング熱3型)が発生しています。

・[フランス領ポリネシア]:[29]2015年7月9日の週に新たに患者9人、[27,28]6月21日(原文どおりに記載)の週に新たに患者9人が確認されました。第26週には6月21日の週(原文どおりに記載)に新たに患者20人とも報告されています。[29]デング熱1型が検出されています。

・[アメリカ領サモア]:[29]感染の流行が8週目に入り、患者140人と、そのうち入院患者50人および死亡者4人が報告されました。現在、アメリカ疾病対策センターから派遣されたチームがPagopago(パゴパゴ)に入り、流行対策の支援を行っています。[28]患者数が増えており、デング熱に関連する死者も報告されました。

●レストスピラ症
・[フィジー]:[26]デング熱が流行しているマクアタ地区で死亡者3人が報告されました。

心配な場合には早めの受診を

  • 海外で発熱などの症状が出たら、早目に医療機関を受診してください。
  • また、帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が良くならない場合は、お近くの医療機関を受診してください。受診方法については検疫所や保健所でも相談することができます。
  • 医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

出典