2015年08月12日更新 アメリカ大陸における麻しんの流行 (更新2)
麻しん(はしか)は、麻しんウイルスが、空気感染、飛沫感染、接触感染によって人から人にうつるウイルス感染症です。その感染力はウイルスの中で最も強く、麻しんを発症している人と同じ部屋にいただけで(空気)感染することがあります。また、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症します。成人の方が重症化する傾向があり、肺炎や脳炎などの重い合併症を起こします。
2015年8月1日に公表された汎米保健機関PAHO/WHOのMeasles Weekly Bulletin2015によりますと、アメリカ大陸各地で麻しんが流行しています。
2015年初めから第30週までに、ブラジル(165人)、メキシコ(1人)、カナダ(195人)、アメリカ合衆国(186人)、チリ(9人)、ペルー(4人)が発生を報告しています。最近でも、ブラジルは第23週に、ペルーは第25週に、アメリカ合衆国は第28週に発生を報告しています。
流行地へ渡航される方は、現地の流行状況に注意してください。
麻しんはワクチン接種で予防することができます。予防効果を確実にするためには、2回の接種が必要です。現在、1歳と小学校入学前1年間の子どもに対して、計2回の定期予防接種が行われています。麻しんの流行がみられる地域へ海外渡航される前には、母子健康手帳などで、予防接種歴を確認してください。麻しんに感染したことがない方で、麻しんのワクチン接種を受けたことがない又は1回しか受けていない方、もしくは接種を受けたかどうかがわからない方は、流行地へ渡航する前に、早めに医師に相談してください。
◆感染症別情報:麻しん(はしか)
出典
PAHO/WHO.Measles Weekly Bulletin2015.
Measles and Rubella Surveillance in the Americas.Vol.21, No.30. 1 August 2015.
http://www.paho.org/hq/index.php?option=com_topics&view=rdmore&cid=7491&Itemid=40242&lang=en
参考
FORTH最新ニュース
麻しんについて(ファクトシート)(2015年2月)
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2015/02121326.html
厚生労働省
麻しん(はしか)に関するQ&A
https://www.mhlw.go.jp/qa/kenkou/hashika/index.html
国立感染症研究所
感染症情報麻疹
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/ma/measles.html