2016年02月04日更新 エボラ出血熱終息に向けた状況レポート (更新3)

2016年2月3日付けの世界保健機関(WHO)の情報によりますと、エボラ出血熱の発生状況は以下のとおりです。シエラレオネで2人目の患者が確認されたため、総患者数は28,639人、死亡者数は11,316人となりました。

註:情報を簡潔に伝えるために、ここでは全体の患者発生状況に内容を絞り込んでいます。要約に書かれているように、この他にも個々の項目の対応状況が報告されています。詳細については原文をご参照ください。

要約

  • シエラレオネでは、2014年からの西アフリカにおけるエボラ出血熱の流行における人から人への感染伝播は、2015年11月7日に終息が宣言されていました。その後、感染経路の見落とし、宿主動物からの再侵入、感染伝播が進行中の地域からの感染流入、回復者で持続保持されているウイルスの再出現など、結果として起きる可能性のある患者のさらなる拡大を速やかに確実に発見するために、この国は90日間の強化監視期間に入りました。1月14日、90日間の強化監視期間の68日目に、シエラレオネでは、死亡した22歳女性から採取された死後スワブ検体でエボラ出血熱に対する検査で陽性が示されたことから、エボラ出血熱の新たな確定患者が報告されました。彼女は、Tonkolili(トンコリリ)地方Magburaka(マグブラカ)の街の自宅で、1月12日に死亡し、安全への配慮のなく埋葬されました。この患者に対して約150人の接触者が4つの地域から列記されました。現在(2月2日)、観察下にある接触者数は合計で112人となっています。最初の患者の近親者らを含めて、エボラ出血熱を発症するリスクが最も高い接触者は、観察期間である21日の間は自発的に隔離施設に収容されました。1月20日に、トンコリリの自発的隔離施設にいた接触者の1人が症状を発現し、エボラ検査で陽性の結果が示されました。この2人目の患者は最初の患者の伯母で、1人目の患者が病気の間、看病していました。彼女はフリータウンのエボラ治療センターに移送され、治療を受けています。
  • 2人目の患者が症状を示した時点が直近の患者となるため、同じ自発的隔離施設にいた4人の接触者は、最後に接触した可能性のある日から21日目に当たる2月11日まで観察下に置かれます。最初の患者との接触者である残る108人は、21日の観察期間を2月3日に完了します。しかし、108人のうち48人は、2月3日から少なくとも21日間、彼らの居住地で観察への努力が続けられます。連絡の取れない48人の接触者のうち、ハイリスクの18人はカンビアで列記されていました。
  • リベリアでの最近の集団感染における人から人への伝播は、2016年1月14日に終息が宣言されました。ギニアでは、2015年12月29日に終息が宣言され、現在は2016年3月27日に終了予定の90日間の強化監視期間に入っています。
  • WHOと加盟組織からの指導により、ギニア、リベリア、シエラレオネの各保健省は、推定で10,000人以上いるとされるエボラ出血熱からの回復者の健康保護に対して、欠かすことのできない一連の援助を提供するために、また、彼らとの濃厚接触による感染を防ぐため個々人に必要となる予防対策を取れるように、計画を立てています。リベリアでは300人を超える男性の回復者が精液のスクリーニング検査と相談サービスを利用しました。
  • 残存するエボラのリスク管理に対する第3期の骨格の2つ目の鍵となる目的を達成するために、WHOは、ギニア、リベリア、シエラレオネで、エボラ出血熱との関連が疑われるあらゆる熱性疾患の患者や死亡者は医療関係者および公的機関に報告される強化調査体制の実施を支援しています。ギニアでは、1月31日の週に34県すべてから、1,063件の警告通報が報告されました。警告通報のほとんど(1,060件)が地域社会(病院外)からの報告でした。この期間に、稼働する9つの検査室で合計346検体(生きている患者から14検体、地域社会(病院外)での死亡者から332検体)が、新たに、又繰り返し検査されました。リベリアでは、15郡すべてから1,062件の警告通報を受けました。このうちのほとんど(925検体)が生きている患者からでした。国内で稼働する検査室5か所では、この期間にエボラ検査に対して1,003検体(生きている患者から807検体、地域社会(病院外)での死者から196検体)が検査されました。シエラレオネでは、この国の14の地域から1,287件の警告通報が報告されました。そのほとんど(1,071検体)が地域社会(病院外)での死亡者からのものでした。この期間を通して稼働する検査室7か所で1,059検体(生きている患者から76検体、地域社会(病院外)での死者から983検体)が、新たに、又繰り返しエボラ検査に対して検査されました。

表1:ギニア、リベリア、シエラレオネにおける可能性の高い患者、確定患者、疑い患者の発生数および死亡者数

図.エボラ出血熱の発生状況

註:データは各国の保健省からの公式情報に基づいています。これらの数値は再分類、再集計、検査結果の利用状況によって変わることがあります。*再分類された疑い患者と可能性の高い患者の割合が高いために報告が見送られています。**2015年5月9日以前に報告された患者は青色の陰で示されています。継続されている調査および患者と死亡者の遡及的な確定調査によって、これらの数字は改訂されることがあります。§シエラレオネでは、人でのエボラウイルス流行の終息が2015年11月7日に宣言され、現在、90日間の高度警戒の調査体制に入っています。2015年11月7日以前に報告された患者は青色の陰で示されています。ギニアでは、人でのエボラウイルス流行の終息が2015年12月29日に宣言され、現在、90日間の高度警戒の調査体制に入っています。

出典

WHO.Situation reports:Ebola response roadmapSituation report. 3February2016
http://apps.who.int/ebola/current-situation/ebola-situation-report-3-february-2016