2016年03月04日更新 ジカウイルス感染時における妊娠の管理(暫定ガイダンス)

2016年3月2日に、妊婦がジカウイルスに感染したときの管理について、暫定ガイダンスがWHOから公表しました。ここでは、そのアナウンス記事を掲載します。ガイダンスの内容については、次のサイトで閲覧、入手することができます。
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/204520/1/WHO_ZIKV_MOC_16.2_eng.pdf[PDF形式:1,772KB]

概要

ジカウイルスを媒介する蚊は、気候が暖かく、特に生活が貧しい地域で繁殖します。このような地域に住む又は渡航する妊娠女性は、この媒介昆虫によって産み出されるウイルスに感染する(妊娠女性以外の)住民とも等しく危険に曝されています。症状を発症しない人もいるため、ジカウイルスに感染した妊娠中の母親は感染に気づかないこともあります。ジカウイルス感染症は、一般的に妊娠時には軽度な症状の病気に過ぎませんが、流行が発生している地域では先天性小頭症、ギラン・バレー症候群、その他の神経合併症が異常に増加しており、妊娠女性とその家族、さらには医療関係者や行政の執行者には懸念の材料となっています。

この文書(暫定ガイドライン)の目的は、妊娠時にジカウイルスに感染する危険の低減と、妊娠中に潜在する合併症の管理への介入のために、まだ暫定であるもののガイダンスを提供することです。このガイダンスは、入手可能な最新の研究からのエビデンスに基づいており、国際的・学際的な医療の専門家やその他の利害関係者グループによって優先順位が付けられた分野について言及しています。特に、ジカウイルスの感染を防ぐために、次の指針が示されています。具体的には、感染した産前の女性の医療支援と管理、母親と新生児の健康維持の結果を最適化することを目的とした感染地域に暮らす全ての妊娠女性に対する妊娠中の医療支援です。このガイダンスは、ジカウイルスが感染伝播する状況におかれた妊婦に対する医療支援に関して、国と地域レベルで臨床医療プロトコールおよび保健衛生政策を作成したことを知らせるものです。このガイダンスは、決して、ジカウイルスに対する感染予防および患者管理のための総合的・実用的なガイドを意図して提供するものではありません。

出典

WHO. Emergencies preparedness, response. 2 March 2016
Pregnancy management in the context of Zika virusInterim guidance
http://www.who.int/csr/resources/publications/zika/pregnancy-management/en/