2016年06月14日更新 ラッサ熱の発生について -ベナン(更新)

2016年6月13日付けで公表されたWHOの情報によりますと、1月25日にベナンの国際保健規則(IHR)国家担当者はラッサ熱の流行発生をWHOに通知しました。その後、5月23日に、ベナン保健省は流行の終息を宣言しました。この宣言は、国内で最後にラッサ熱患者が確認されてから42日が経過したことで出されました。

  • 詳細な流行の発生状況

合計で、死亡者28人を含む54人の疑い患者が8県から報告されました。これらの県は、Borgou県(患者31人、死亡者16人)、Donga県(同7人、5人)、Collines県(6人、3人)、Alibori県(3人、1人)、Plateau(3人、2人)、Ouémé県(2人、1人)、Atlantique県(1人)、Littoral(1人)です。これら54人のうち、3つの県の16人は検査で確認されました。これらは、Borgou県(13人)、Donga県(2人)、Ouémé県(1人)です。

疑い患者54人のうち、5人はBorgou県の医療従事者でした。この医療従事者5人のうち、3人は検査で確認されました。この医療従事者5人のうち、2人が亡くなりました。

この流行では、以下の5つの研究施設がポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)検査によるラッサ熱患者確認のための技術支援を提供しました。

  1. 1.ナイジェリアEdoIrrua、Irrua専門家研修病院ラッサ熱研究・感染制御センター
  2. 2.ナイジェリア、ラゴス大学研修病院ラゴス校、ウイルス研究室
  3. 3.ドイツ・ハンブルグ、熱帯医療研究施設
  4. 4.ガーナ、Noguchi検査施設(WHO共同検査センター)
  5. 5.フランス・リオン、パスツール研究施設(IP)
  • 公衆衛生における取り組み

ベナンの保健省は、WHOと支援組織の支援を受けて、発生した流行の感染管理を指揮しました。感染の対策では、現地調査、調査活動の強化、患者管理、感染の予防と制御、接触者の追跡と経過観察、および地域住民における動員活動などが実施されました。

WHOは、対策を支援するために、流行地に学際チームを派遣しました。

流行の発生以来、合計で739人の接触者が確認されており、経過が観察されました。経過観察中、接触者1人でラッサ熱への感染が検査確認されました。

  • WHOのリスク評価

現在の報告では、現時点で、ベナンには既に知られたラッサ熱の感染連鎖系は存在しないことが確認されています。ラッサ熱は、ナイジェリアや西アフリカのその他の国々における風土病ですが、ベナンで報告された流行は2回だけでした(最初の流行は2014年11月に発生)。今回の流行は、確定診断された患者における死亡者の数が多いという特徴がありました。そのため、予想より高い死亡率に関与している因子を調査することが最重要となります。また、流行再燃の可能性を減らすために、ラッサ熱が風土病となっている西アフリカの国々では、関係する調査体制を強化することが促されています。

  • WHOからのアドバイス

WHOは、現在、入手できる情報に基づく限り、ベナンへの旅行や貿易の制限を推奨してはいません。

出典

WHO.Disease outbreak news, Emergencies preparedness, response. 13 June 2016
Lassa Fever- Benin
http://www.who.int/csr/don/13-june-2016-lassa-fever-benin/en/