2016年08月17日更新 コレラの流行発生について -中央アフリカ共和国
2016年8月11日のWHOアフリア事務局(AFRO)からの情報によりますと、中央アフリカ共和国で8月10日にコレラの流行が宣言されたことが公表されました。
感染発生の詳細
複雑な政情不安による危機の中にある中央アフリカ共和国(CAR)で、WHOと加盟国はCAR保健省とともにコレラ流行への対策に取り組んでいます。この流行では、Djoujou、Damara、Bangui(首都:バンギ)で46人の確定診断患者と13人の死亡者が出ており、8月10日に流行が宣言されました。
CARのWHO地域事務局代表であるMichel Yao博士は次のように述べています。
「Oubangui川沿いに並ぶ集落でのコレラの流行は、CARの住民にとって唯でさえ厄介な健康維持の必要性を直接的に複雑にしています。CARは、既に、紛争や避難によって、長期化する人道危機からの影響にかなり大きく苦しんできました。」
報告される患者は、主に、コンゴ民主共和国(DRC)Equateur(赤道州)と国境を接する川に沿った集落で発生しています。そこは、DRCに渡航した後に病気に陥った最初の患者がいたところです。
WHOは、赤道州、Tshopo州、モンガラ州でコレラが流行しているDRC政府も支援しています。DRCではコレラが常在しています。
WHOの取り組み
WHOと保健衛生省は、この国にある緊急対策センターの中にコレラ感染制御指令センターを立ち上げました。ここでは、患者の管理、調査活動、上下水道の衛生管理、感染リスクの情報伝達とその地域活動、物資輸送、生命の安全、死体の管理処理を取り扱う委員会に基づき、全ての人道支援組織が参加しています。
首都バンギに辿り着いた患者は、WHOの支援で設立された治療センターで治療を受けています。現在の治療物資は、既にこの国が雨季に入りコレラが流行することに備えた一環として、事前に準備されていました。
全体的な健康保健に取り組む組織の一部として、国境なき医師団(MSF)の移動チームがOubangui川沿いの集落で水源の処理とともに地域住民と関わる活動を行っています。
Michel Yao博士は次のように警鐘を鳴らしています。
「いくつもの地域での安全保障の欠如を含むこの国の危機は、これまでの疾病に対する調査活動への取り組みを困難にしています。この取り組みは、コレラのような流行感染症を早期に発見し、効率的な対策を可能にするために重要となります。緊急に、疾病の調査活動を強化するための追加の人的・物的資源、並びに、たくさんの公衆衛生上の脅威に曝される国における健康保険サービスを復興させることへの支援が必要です。」
出典
WHO/AFRO.Media centre. 11 August 2016
WHO heightens health response to cholera outbreak in CAR
http://www.afro.who.int/en/media-centre/afro-feature/item/8897-who-heightens-health-response-to-cholera-outbreak-in-car.html