2016年10月14日更新 ジカウイルス感染症の発生状況 (更新35)
2016年10月13日付けでWHOより発表されたジカウイルス感染症(いわゆるジカ熱)の発生状況に関する報告です。ジカウイルス感染症の発生状況は以下のとおりです。
情報更新の要点
- 先週、新しく蚊の媒介によるジカウイルス感染症が報告された国や地域はありません。
- 先週、新しくジカウイルス感染症と関連する可能性のある小頭症や他の中枢神経系(central nerve system: CNS)の奇形が報告された国や地域はありません。
- 先週、新しくジカウイルス感染症と関連するギラン
- バレー症候群(GBS: Guillain-Barré syndrome)が報告された国や地域はありません。
分析
- 全体として、世界におけるリスク評価は変わっていません。
- ジカウイルスが常在すると考えられている国でのジカウイルスが関係する合併症のリスクは、ジカウイルス株の違いが関係するリスクが不確かなことや、これらが常在する地域での住民の免疫能についても不確かなことから、大きくは分かっていません。今後の疑問に対処するために、早急に血清学に関する研究が必要とされます。
発生状況
- 73の国と地域で、2007年以来(2015年から67の国と地域です)蚊が媒介するジカウイルス感染伝播のエビデンスが報告されています。
- 56の国と地域で、2015年以降流行発生が報告されました。
- 7つの国と地域で、2016年に、蚊が媒介するジカの感染の地域感染の可能性やエビデンスが
あります。 - 10の国や地域では、2015年までや2015年に地域で蚊が媒介するジカウイルス感染のエビデンス
が報告されています。しかし、これらの国や地域では2016年に患者が報告されていないか、また
は流行が終息しています。
- 2016年2月以降、12の国でジカウイルスのヒト-ヒト感染のエビデンスが報告されました。
- 22の国と地域で、ジカウイルス感染症と関係する可能性の高い、または先天性の感染が示唆される小頭症や他の中枢神経奇形が報告されています。
- 19の国と地域で、ギラン・バレー症候群(GBS)の発生率の増加、および/またはGBS患者でジカウイルス感染症の検査確認が報告されています。
- ギニア・ビサウでは、報告された5人の小頭症患者の調査が続けられています。
- (WHOの感染対策の)運営状況が更新されています。
- パラグアイでは、保健省によって、防蚊に対する啓発週間の活動が計画されています。また、元
の基準となるGBSと小頭症の発生率を評価するために、病院で研究が続けられています。 - ジカウイルスおよびその他の蚊が媒介する疾患が発生する状況における、予防、調査活動、
媒介するシマカ属の蚊の駆除に対する訓練について、パキスタン・ラホールで10月に研究集会
が計画されています。11月には、症状と患者事例ベースの両方の調査方法を使って、ジカウイル
スやその他のアルボウイルスによる疾患の集団発生を発見するために、適切な調査活動の戦略
を定義づけるための協議の研究集会が予定されています。 - ヨルダンで、11月にダカールのパスツール研究所でのジカウイルスの臨床検査訓練が行われる
ことが計画されました。
- パラグアイでは、保健省によって、防蚊に対する啓発週間の活動が計画されています。また、元
出典
WHO.Situation Report, Emergencies. 13 October 2016
Zika virus, Microcephaly and Guillain-Barré syndrome
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/250512/1/zikasitrep13Oct16-eng.pdf?ua=1[PDF形式:725KB]