2016年10月24日更新 ジカウイルス感染症の発生状況 (更新36)

2016年10月20付けでWHOより発表されたジカウイルス感染症(いわゆるジカ熱)の発生状況に関する報告です。ジカウイルス感染症の発生状況は以下のとおりです。

情報更新の要点

  • 先週、新しく蚊の媒介によるジカウイルス感染症が報告された国や地域はありません。
  • 先週、グレナダが新しくジカウイルス感染症と関連する可能性のある小頭症その他の中枢神経系(central nerve system: CNS)奇形の報告された国と地域に加わりました。
  • 先週、新しくジカウイルス感染症と関連するギラン・バレー症候群(GBS: Guillain-Barré syndrome)が報告された国や地域はありません。
  • ベトナム保健省が、小頭症患者を報告しました。現在、原因を確認するための検査が行われています。

分析

全体として、世界におけるリスク評価は変わっていません。

発生状況

  • 73の国と地域で、2007年以来(2015年からは67の国と地域です)蚊が媒介するジカウイルス感染伝播のエビデンスが報告されています。
    • 2015年以降、56の国と地域で流行発生が報告されました。
    • 8つの国と地域で、2016年に、蚊が媒介するジカの感染の地域感染の可能性やエビデンスが
      あります。
    • ソロモン諸島は、以前、カテゴリー3に分類されていましたが、オーストラリアから(この地からの)
      帰国者でのジカウイルス感染症が報告されました。したがって、ソロモン諸島はカテゴリー2に
      分類されました。
    • 9つの国と地域で、2015年以前もしくは2015年に地域で蚊が媒介するジカウイルス感染のエビデン
      スが報告されています。しかし、これらの国と地域では、2016年には患者が報告されていないか
      又は流行が終息しています。
    • ソロモン諸島が、このカテゴリーからは除外されました。
  • 2016年2月以降、12の国でジカウイルスのヒト-ヒト感染のエビデンスが報告されました。
  • 23の国と地域で、ジカウイルス感染症と関係する可能性の高い、または先天性の感染症が示唆される小頭症その他の中枢神経奇形が報告されています。グレナダが、ジカウイルスが関係する小頭症が報告された最も新しい国となっています。
  • 19の国と地域で、ギラン・バレー症候群(GBS)の発生数の増加、および/またはGBS患者でジカウイルス感染症の検査確認が報告されています。以前にも、ジカウイルスの感染が関係するGBSが報告されていたプエルトリコで、先週、GBSの発生数の増加が報告されました。
  • 2016年10月17日に、ベトナム保健省が、4か月の乳児の小頭症を報告しました。血液検体が採取され、この小頭症に潜在する原因を突きとめるために検査が行われています。
  • 2016年10月7日に、グレナダ健康省は、ジカウイルスが関係する先天症候群1例が確認されたことを報告しました。この症例はPCR法検査によって確認されました。
  • ギニア・ビサウでは、報告された5人の小頭症患者の調査が続けられています。

出典

WHO.Situation Report, Emergencies. 20 October 2016
Zika virus, Microcephaly and Guillain-Barré syndrome
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/250590/1/zikasitrep20Oct16-eng.pdf?ua=1[PDF形式:725KB]