2016年12月16日更新 コレラの発生- イエメン(更新6)

2016年12月13日に、WHO東地中海地域事務局(EMRO)から公表された情報によりますと、イエメン国民保健省から、新たにコレラ患者およびコレラに関連する死亡者の数値が発表されました。

情報の詳細

12月6日以降、死亡者3人を含む急性水様性下痢症患者1,173人が新たに報告されました。12月13日までに、感染の発生している行政地区の合計で、関連する死亡者92人(致死率1%)を含め、疑い患者10,148人が報告されました。このうち、患者156人でコレラ菌(Vibrio cholerae)O1小川型が検査確認されました。

コレラの発生は、Abyan(アビヤン)、Aden(アデン)、Al-Bayda'a(バイダー)、Al-Dhale'a(ダーリウ)、Al-Hudaydah(フダイダ)、Al Jawf(ジャウフ)、Amran(アムラーン)、Dhamar(ザマール)、Hajjah(ハッジャ)、Ibb(イッブ)、Lahij(ラヒジュ)、Raymah(ライマ)、Sana'a(サナア)、Ta'izz(タイズ)、の各県の135地区とSana'a(サナア)市でした。しかし、報告される患者の65%以上が、アデン、バイダー、フダイダ、タイズの各県から報告されています。また、報告される死亡者の約70%が、アデン、バイダー、フダイダ、イッブ、タイズの各県から報告されています。

イエメン国民保健省、ユニセフ、OCHA(国連人道問題調整事務所)、その他の支援組織とともに、WHOの主導の下で組織されたコレラの対策会議が、全国および行政区画レベルでのコレラ感染対策の活動強化に努めています。これまでに行われた感染予防と地域介入における取り組みは、いくつもの行政区で患者の発生数を減らす効果を上げてきました。それでも、他の行政区から新たな患者の報告が続いています。

対策会議は、感染が発生した県のうち26か所でコレラ治療センターおよび国の健康に対する緊急対策室2か所(アデンとサナア)の支援を続けています。有効かつ適時に疫学調査と感染対策を実施するために、緊急対策チームが感染の発生する行政地域に派遣されています。

WHOは、患者管理の研修、感染管理、飲料水の塩素消毒、固形廃棄物の処理および下水道のネットワーク管理を通して、現地の医療従事者の対応能力を強化しています。

迅速診断キット(RDT)、IV型補液、経口補水液、飲料水用の塩素消毒の錠剤などの必需品が、感染の発生している地域に配給されています。WHOは、コレラやその他の下痢症に対する予防の国民意識を高めるために、住民の地域活動や健康維持への教育活動も支援しています。

イエメンには、急性水様性下痢症が常在しており、国の衛生システムの対応能力を強めながら、下痢症との戦いを続けています。

流行が発生している地域には760万を超える人々が暮らしています。加えて、300万を超える国内避難民がいます。

出典

EMRO/WHO.News, Surveillance, forecasting and response. 13December2016
Weekly update- Cholera cases in Yemen
http://www.emro.who.int/surveillance-forecasting-response/outbreaks/cholera-update-yemen.html