2017年02月24日更新 髄膜炎菌感染症の発生報告-トーゴ

2017年2月23日にWHO(世界保健機関)から公表された情報によりますと、トーゴから髄膜炎菌感染症の発生が報告されています。

2017年1月1日以降、死亡者17人を含め、髄膜炎の疑い患者201人が19の保健行政地区から報告されました。第2週には、高原地域の一部にあるAkebou地区で髄膜炎患者4人が報告されたため、警報が発令されました。第4週には、患者が9人で、住民100,000人あたりの患者発生率が12.4人となり、流行は警報レベルに到達しました。2017年1月2日から2月12日までに、髄膜炎の疑い患者は48人で、そのうち3人が死亡したことが報告されました(死亡率6.3%)。このうち、PCR法検査により14検体で髄膜炎菌血清群W型が確認されました。

高原地域では、同国の他の3つの地域とともに、2014年12月に(髄膜炎ワクチンの1つ)MenAfriVacの大規模な予防接種キャンペーンが行われ、その効果の下にありました。

トーゴは、アフリカの髄膜炎ベルト地帯の一部であり、毎年、髄膜炎患者と死亡者が記録されています。2016年には、この国の北部地方で髄膜炎菌血清群W型による流行の発生が記録されました。2016年に、合計で患者1,975人と死亡者127人が報告されました。

公衆衛生上の取り組み

流行の発生に対応して、次のような対策が実施されています。

  • 国際協調グループ(ICG)から、ワクチン接種キャンペーンが計画され、56,000回分の
    髄膜炎ワクチンが請求されています。
  • 発生する流行の感染制御を強化するために、WHOの現地活動チームがこの地域に派遣
    されました。
  • 地域レベルでの髄膜炎の調査活動が強化されています。
  • 地域レベルで、診療医への患者管理に関する研修を行っています。
  • 国境を接するガーナとベナンとも協議を行っています。

WHOのリスクアセスメント

アフリカの髄膜炎ベルト地帯で起こる髄膜炎菌感染症は最大の脅威となっています。 MenA包合体ワクチンワクチンの普及が奏功し、髄膜炎菌血清群A型が減少する傾向にあったにもかかわらず、髄膜炎菌の他の血清群が流行を引き起こしていることが示されています。トーゴで発生した髄膜炎菌血清群W型の報告は、髄膜炎菌感染症の性質変化を細心の注意で監視すべきことを求めています。世界における備蓄ワクチンが利用可能であることを確認し、検査および疫学調査の体制が強化され、各国における流行発生への対応戦略が確保されることが必要です。

WHOのアドバイス

流行発生への対策は、発生地域の住民への集団ワクチン接種を含めて、迅速かつ適切な患者管理を行うことと、髄膜炎の調査活動を強化することで構成されます。

出典

WHO.Disease outbreak news, Emergencies preparedness, response. 23February2017
Meningococcal disease- Togo
http://www.who.int/csr/don/23-february-2017-meningococcal-disease-togo/en/