2017年10月19日更新 ヨーロッパにおける麻しんの流行 (更新11)
麻しん(はしか)は、麻しんウイルスによって起こる病気です。空気感染、飛沫感染、接触感染によって、人から人にうつります。その感染力はウイルスの中で最も強く、麻しんを発症している人と同じ部屋にいるだけで(空気)感染することがあります。また、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、肺炎や脳炎などの重い合併症を起こすこともあります。
欧州のいくつもの国で麻しんの流行が発生しており、2017年10月13日付けで、欧州疾病対策センター(ECDC)は2016年9月からの1年間の麻しん患者のうち87%がワクチンを接種していなかったと述べ、ヨーロッパ全土にわたり、すべての年齢層での麻しん感染への注意を促しています。ルーマニアでは2016年10月に、イタリアでは2017年1月に、ドイツでは2017年2月に流行が発生しました。
ヨーロッパでは、30か国のうち18か国で1回のワクチンの接種率が95%に達しておらず、2回目となると27か国のうち20か国が95%を下回っています。
麻しんは予防接種で予防することができる病気ですが、予防効果を確実にするためには、2回の接種が必要です。麻しんの流行がみられる地域へ渡航する前には、母子健康手帳などで、予防接種歴を確認してください。麻しんに感染したことがない方で、麻しんの予防接種を受けたことのない方や1回しか接種していない方、または予防接種を受けたかどうかがわからない方は、渡航する前に、早めに医師に相談してください。
ヨーロッパの詳しい発生状況の情報は、原文でお確かめください。
●感染症別情報:麻しん
出典
ECDC. News & events. 13 October 2017
Epidemiological update: Measles - monitoring European outbreak
https://ecdc.europa.eu/en/news-events/measles-eueea-current-outbreaks-latest-data-and-trends-october-2017
参考
厚生労働省検疫所 FORTH:最新ニュース
麻しんについて(ファクトシート)(2017年7月)
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2017/07271431.html
厚生労働省
麻しん(はしか)に関するQ&A
https://www.mhlw.go.jp/qa/kenkou/hashika/index.html