2017年10月20日更新 ポリオ根絶への地域会議-WHO東地中海地域事務局

2017年10月10日に、WHO東地中海地域事務局は、第64回地域会議でポリオ根絶のための討議を行いました。パキスタンとアフガニスタンでは、現在も、野生型ポリオが発生し、シリアではワクチン由来のポリオが発生しており、その根絶への努力が続けられています。

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2017年10月9日-12日にイスラマバードで第64回WHO東地中海地域会議が開催され、東地中海地域でのポリオ根絶の計画の特別会議で進捗状況が検討されました。

10月11日火曜日の地域会議で、ヨルダン・アンマンでWHO地域事務局としてポリオ根絶を管理するChris Maher氏は、東地中海地域における進捗状況の更新情報を提出しました。Maher氏によれば、パキスタンとアフガニスタンでは、現在もポリオの常在国であり、ポリオ患者を発見し、ウイルスの拡がりを阻止するための最も広範囲での体制が敷かれています。

今年になって、パキスタンでは5人、アフガニスタンでは7人の野生型ポリオ・ウイルス感染者が報告されたことの情報が、委員会及び出席者に改めて提供されました。また、2017年のポリオ患者数は大幅に減少しており、これらの国でポリオが根絶に近づいていることが加えられました。彼は、国家緊急事態・対策センター(EOC)の下で、一貫した取り組みが行われていることを示し、政府が責任ある関与を続けていることを知らせました。

Maher氏は、東地中海地域でのポリオ(対策)の状況について、2017年のこれまでに、2億7,000万回分の経口ポリオ・ワクチンが免疫向上の追加接種のために提供されたことを述べました。また、ソマリアに対し、3年間、ポリオ患者の発生のなく(観察期間を)完了したことに祝意を示しました。さらに、Maher氏は、ワクチン由来ポリオ・ウイルス2型(cVDPV2)に関する情報を更新し、シリアでこれまでに48例が報告されたことを述べました。この(患者)発生に対応して、1価経口ポリオ・ワクチン2型(mOPV2)を用いて、Deir-ez-Zor州で2回、Raqqa州で1回のワクチン接種が行われました。 両州では生後2か月から23か月の幼児の免疫力を高めるために、不活化ポリオワクチン(IPV)が使用されています。

ポリオに対する第一人者で中心人物でもあるAyesha Raza Farooq上院議員は、パキスタンがここ数か月間に感染の伝播を確実に阻止するために行っている取り組みについて、会議に報告書を提出しました。「支援組織とすべての政府関係者にもたらしていることは、恐らく、最近の成功の中では最も重要な要素でしょう。」と、Ayesha Raza Farooq氏は述べました。「私たちの『1つの(一体となった)チーム』アプローチ、データに基づく意思決定、見逃しへの警戒と責任(の保持)、私たちの体制整備を保証する機関からの最も効率的な支援が、2017年のポリオ・ウイルス感染者が最小になるという結果をもたらしました。これまでに患者はたったの5人です。」と、彼女は述べました。

WHO地域会議は、加盟各国の保健省とその代表者がこの地域にある国々に対し公衆衛生上の重要事項の優先順位を決める拠点です。イスラマバードでの会議には、国の医療保健サービスの規制・調整省Saira Afzal Tarar長官が議長を務め、WHO事務局長Tedros Adhanom Ghebreyesus博士、東地中海東部地域事務局長Mahmoud Fikri博士をはじめ、250人以上の公衆衛生の主導者と、各国政府、地域と国際機関の代表者が参加しました。

出典

EMRO/WHO.News, Countries. 10 October 2017
Polio eradication discussed at the at the sixty-fourth session of WHO Regional Committee for the Eastern Mediterranean
http://www.emro.who.int/pak/pakistan-news/polio-eradication-discussed-at-the-at-the-sixty-fourth-session-of-who-regional-committee-for-the-eastern-mediterranean.html