2018年01月12日更新 フランベジアの根絶(10の事実)

 フランベジア(いちご腫)は、貧困と密接に関連する慢性感染症です。人が唯一の宿主であるため、根絶が可能です。ベンザチン・ペニシリン注射を使用した世界的なキャンペーンが、1960年代後半に、世界の患者を95%低下させました。しかし、プログラムの放棄と調査活動の弱体化から、多くの国で(フランベジアが)再興したため、WHOは、2007年に感染制御へのプログラムを再開しました。(その中で)2012年に、抗生物質アジスロマイシンの単回での経口投与で完全にフランベジアを治せることが発見され、根絶を勢いづけました。現在では、(フランベジアが)常在する国は、14か国のみであることが知られています。2017年には、フィリピンで、何人かの患者が確認されました。(それでも)2016年には、インドが、WHOから公式にフランベジアの終息したことが宣言された最初の国となりました。

事実1:戦後の公衆衛生上の問題への取り組み(1948-1958)
 1948年にWHOが設立されたとき、Bejel(地方病性梅毒)やPintaピンタなど、トレポネーマ細菌によって引き起こされるフランベジアおよびその他の細菌感染症は、真正面から取り組むべき大きな公衆衛生上の問題のひとつでした。5,000万人を超える人々(主に子ども)が感染していました。

事実2:道路が無くなるところからフランベジアの発生が始まります
 歴史的に、フランベジアは、道路が無くなる最果ての土地の病気と考えられてきました。感染している人は、ほとんどが貧しく、交通も困難な地域に住んでいたためです。医療関係者は、感染の発生している地域の住民に辿り着くことへの深刻な困難に直面していました。

事実3 1952年に根絶キャンペーンを開始
 1952年から1964年までに、WHOとユニセフは、46か国で、大規模な治療キャンペーンへの支援を行いました。WHOは技術と行政の支援を提供し、ユニセフは物資の支援を行いました。約3億の人々に検査が行われ、5,000万人を超える人々が治療を受け、病気からの脅威を95%低下させました。

事実4治療に革命をもたらした「魔法の弾丸」
 1948年のWHOの誕生と一致して、ベンザチン・ペニシリンが開発されました。世界保健総会第2回会議(1949年)では、フランベジアを感染制御するための決議が採択されました。感染が発生した人々には、ベンザチン・ペニシリンの単回注射で治療が行われ、2~3週間で劇的に治癒への効果が得られました。人々も医療関係者も、この薬剤を「魔法の弾丸」と表現しました。

事実5地域社会の参加の鍵となる健康教育
 かつては、健康教育と病気への啓発活動が根絶キャンペーンの中心でした。地域社会の参加、高い受診・治療率の確保は、効率的に感染を減らすことには、不可欠でした。

事実6:注射剤に代わる突破口としてのアジスロマイシン
 2012年には、ペニシリン注射剤の代わりに、経口アジスロマイシンでの単回投与(による治療)が発見されました。このことで大きな飛躍が起こりました。この発見は、感染した人々を大規模に治療することができ、根絶への新たな関心を呼び起こしました。

事実7:根絶への道を加速させた「魔法の錠剤」
 大規模な治療(介入)での経口アジスロマイシンの有効性について、5か国で、2012年からパイロット(先駆的)プログラムでの試験が行われてきました。全ての試験が、患者が必要量の抗生物質を服用してから2~3週間で完全に治癒に至るという素晴らしい結果を示しています。

事実8:新しい根絶への戦略
 経口治療は、ベンザチン・ペニシリンの注射剤の手技・管理や物流上の制約を克服しました。 2012年に、WHOは新しい根絶への戦略を策定するために専門家会議を開催しました。Morges戦略として知られるこのアプローチでは、(これまでとは)大きく異なり、積極的に検査し、リスクのある集団全体に経口アジスロマイシンを使った治療を行うことにに焦点を当てています。

事実9:WHOインドでフランベジアの終息したことを承認しました
 インドは、これまでに、ペニシリン注射剤を使用したキャンペーンの継続を通じて、フランベジアを撲滅した唯一の国となっています。最後に患者が報告されたのは2003年でした。新たな患者の発生のない3年後に、インドは感染の遮断を宣言しました。2015年に、インドからの求めに応じて、WHOの国際検証チームが確認し、WHOは2016年に、インドがフランベジアを終息させた最初の国と宣言しました。

事実10:2020年までに、世界での根絶が可能です
 経口抗生物質の有効性、新しい診断ツール、パイロット(先駆的な)研究から得られる経験、さらにはインドでの歴史的成果など、すべてが、残りの14か国で2020年までに根絶することの見通しを明るくすると指摘できます。課題で重要なことは、必要とされる人々に、アジスロマイシンを十分に配布できるだけの供給量を確保することです。

出典

WHO. Fact files, Media centre. December 2017
10 facts on yaws eradication
http://www.who.int/features/factfiles/yaws/en/