2018年01月18日更新 ザンビアへのコレラ・ワクチンの支援

WHOは、昨年末から発生しているザンビアでのコレラの流行に対して、大規模なワクチン接種の支援に乗り出しました。

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ザンビア政府は、世界保健機関(WHO)や支援組織からの支援を受けて、首都ルセカの住民にコレラに対する予防接種を実施するために、1月10日(水曜日)にキャンペーンを開始しました。

1月に、Gavi(ワクチンと予防接種のための世界同盟)の世界備蓄庫から経口コレラ・ワクチン200万回分が、アフリカ南部のこの国に提供されました。これは100万人にワクチンを接種するには十分な量でした。

保健大臣Chitalu Chilufya博士は、「このキャンペーンは、最もワクチンを必要とする人々に、いのちを救うための経口コレラ・ワクチンをもたらしてくれます。」と述べました。そして、Chilufya博士は、この病気の拡がりを防ぐ上での地域社会が果たす役割についても語気を強めて、「この流行の大きな原因は、細菌だらけの水や食糧を消費し、廃棄物の管理を疎かにしてきたことにあります。地域社会は基本となる予防対策を無視すべきではなく、住民は疎かにした衛生習慣を変える必要があります。」とも述べました。

コレラは治療せずに放置すれば、数時間で死亡する可能性のある急性下痢症です。保健省には、2017年10月4日に発生した現在の流行以来、患者が合計2,672人も報告されており、首都ルサカだけで2,558人も報告されています。(そして)全国では63人の死亡者があり、このうち、ルサカでの死亡者は58人に上っています。

WHOは、コレラ流行の根底にある原因、すなわち清潔な水の供給や衛生環境と、個々人の衛生教育に対して、ザンビア国立・公衆衛生・研究所(ZNPHI)と協力して、取り組んでいます。また、WHOは、関係部局が事例を追跡し、コレラ患者を治療し、地域に保健教育を提供することを支援しています。

このキャンペーンは、首都ルサカの中心部で、指定されたワクチン接種の地域が対象となります。WHOは、医療関係者に対し、ワクチンの投与方法、その他、予防対策やコレラの治療法についての研修を行っています。

「ザンビアは、この数年で最悪となるコレラの流行のひとつに遭遇しています」「このキャンペーンで、我々は、必ずやコレラ(の流行)を止め、流行がさらに激しくなることを防ぎます。」と、WHOザンビア代表Nathan Bakyaita博士は述べています。

ザンビアでは、5か月にわたる雨期に、散発的な患者の発生は定期的にみられますが、今年の患者数は年間の患者の平均発生数を上回っています。

WHOは、緊急事態であり、流行の拡大の恐れがある地域で、この他にもリスクの高まる展開が想定される場合に、この病気に対して基本となる予防と制御への対策と組み合わせて、コレラ・ワクチン接種を実施することを推奨しています。これらの(基本となる)対策には、十分な検査と治療を提供できる備えがあること、安全な飲み水と衛生設備の利用環境が確保される対策が取られていること、感染予防のために地域住民一般市民が活動に参加することなども含まれます。

今年の後半には、全国のコレラが多く発生する地域に住む100万人を対象に予防接種を行う計画が進められています。

出典

AFRO/WHO.Featured News,Media centre. 10 January 2018
WHO supports the immunization of1million people against cholera in Zambia
http://afro.who.int/news/who-supports-immunization-1-million-people-against-cholera-zambia