2018年02月15日更新 ラッサ熱の流行- ナイジェリア

ラッサ熱は、西アフリカの風土病で、毎年、季節に伴う流行が12月から6月に発生します。今年も、既にナイジェリアでラッサ熱が流行してきており、WHOは対策に乗り出しています。

ラッサ熱の発生状況

ナイジェリアでは、この5週間足らずで17州に感染者が最大450人に上ることから、世界保健機関(WHO)は対策の規模を拡大させています。

WHOナイジェリア事務局は、発生当初から、ナイジェリア政府の国立ラッサ熱・緊急対策センターや州毎の感染監視活動を支援するために、政府および州レベルからのスタッフを配備しました。WHOは、迅速にリスク・アセスメント・チームに加わり、ホット・スポット(感染の盛んな地域)に出向き、流行状況を調査することで、健康活動員を主導する(政府を)補助しています。

2018年1月1日から2月4日までに、疑い患者450人が報告され、そのうち132人が検査によってラッサ熱と確定診断されました。このうち、43人が死亡し、37人は検査確認されたことが報告されました。

ナイジェリアには、急性ウイルス性出血熱が常在していますが、現在の発生地域は、Edo(エド州)Ondo(オンド州)、Ebonyi(エボニ州)など、南部の州がホット・スポット(感染の盛んな地域)となっています。

「ラッサ熱患者の多さが懸念されます。今年のこの時期における患者数は異常なまでの多さを目にしています。」と、WHOナイジェリア代表者Wondimagegnehu Alemu博士は述べました。

感染者には医療従事者11人が含まれており、このうち4人は死亡しています。WHOは、政府担当者らに、医療施設での感染への予防や管理の強化を呼びかけています。ラッサ熱患者を取り扱う医療従事者には、患者の体液との接触を防止するために、個人用保護具の使用を含めたさらなる感染への対策および管理の対策が必要とされます。

患者数の増加に伴い、WHOは、ナイジェリア疾病対策センターと感染が発生した州に個人用保護具を寄贈し、ラッサ熱の迅速な診断を支援するために検査用試薬を調達しました。WHOは、対策の連携・調整、調査活動の強化、治療指針の提供を行うために、国際的な専門家を派遣しています。また、予防および治療への関心を高めるために地域社会との連携を図っています。

ラッサ熱は、西アフリカのいくつもの国々で常在しています。ベナン、リベリア、シエラレオネでは全ての患者が、この1か月間に報告されています。WHOは、この地域の各国政府と協力しながら、連携の調整や、国境を越えた協力体制の強化を行っています。

出典

AFRO/WHO.Featured News. 13February2018
WHO moves to contain Nigeria's Lassa fever outbreak
http://www.afro.who.int/news/who-moves-contain-nigerias-lassa-fever-outbreak