2018年03月05日更新 コレラ流行の発生状況- イエメン

WHO東地中海地域事務局(EMRO)より、イエメンで流行しているコレラについて3月1日現在の発生状況が公表されました。

情報の詳細

イエメン公衆衛生・国民省には、2018年の第7週(2月12~18日)にコレラ疑い患者3,362人が届けられました。死亡者はいませんでした。2017年4月からの累計コレラ疑い患者は1,063,786人、死亡者は2,258人(致死率0.21%)に上りました。

週毎の重篤な患者の割合は減少傾向にあり、入院患者の11%だけになっています。306地区のうち132地区では、3週間連続して新たな患者が報告されていません。累積の発生率が最も高くなっているのは、Amran(アムラーン)、Al Mahwit(マーウィット)、Al Dhale'e(ダーリウ)、Hajjah(ハッジャ)、Sana'a(サナア)の5つの県です。

WHO、健康推進とWASH(健康/水と衛生の環境を整備する)活動の支援組織は、国レベルおよび地方レベルで対策への取り組みを向上させるための制度支援および物流支援を通じて、公衆衛生・国民省が流行に取り組み拡大を阻止することを支援し続けています。

この支援には、2,942か所の下痢症の治療センターや195地区788か所の口腔脱水補正コーナーでの支援活動、保健従事者が患者の管理と迅速な対応を行うための研修、緊急対策チームの配置、安全な飲み水の利用環境の確保、患者を早期に医療保健施設に報告するための地域社会の活性化と動員などが含まれます。

検体検査と診断のために検査施設の能力が強化されました。検査された糞便検体2,763本のうち、1,104本がコレラ菌(Vibrio cholerae)に陽性でした。これは、コレラ菌(Vibrio cholerae)の存在を確認するために各地で実施された30,305本の迅速診断検査(RDT)に追加されたものです。

イエメンに、コレラは常在していますが、長引く紛争や、健康推進・水・衛生設備といった生活基盤の破壊、栄養不良などのために、住民がコレラを含むさまざまな感染症に罹りやすくなっており、2017年4月以降、コレラ患者が急増しています。

出典

EMRO/WHO.Epidemic and pandemic-prone diseases.1 March 2018
Outbreak update- cholera in Yemen
http://www.emro.who.int/pandemic-epidemic-diseases/cholera/outbreak-update-cholera-in-yemen-1-march-2018.html